【解説】石破新総裁“誕生のウラ側”…5回目の挑戦制す 勝敗のポイントは
■石破新総裁…直面する課題
──そして3つ目、石破新総裁はどのような課題に直面することになるのでしょうか。 これは2つあります。1つ目は人事です。石破新総裁は、党の要である幹事長、内閣の要である官房長官など、チーム石破の人事に着手しなくてはいけません。岸田首相は総裁選を通して「ドリームチーム」をつくってほしいと注文をつけていました。まず、総裁選に出馬した8人の処遇をどうするのか。中でも注目は決選で戦った高市さん、そして3位の小泉さんの処遇です。党内からは「石破総理であれば幹事長には小泉さんが最適だ」という声は早くも出ています。「脱派閥」がテーマとなる総裁選でしたが、人事で派閥の呪縛から脱却できるか試金石となります。 2つ目は「解散の時期」です。石破候補は総裁選の期間中、「早い時期に解散を行う」方針を示していました。今、想定されている解散・総選挙の日程は最短で10月27日です。 自民党内には、この総裁選の直後に解散総選挙を行うべきとの声があります。一方で、今週同じくトップがかわった立憲の野田代表は、新しい総裁は予算委員会などを開き、野党側との議論の時間を確保すべきだと主張しています。石破新総裁がいつ解散し、総選挙に臨むのか、判断が迫られています。
──今回、過去最長となる15日間の総裁選をずっと取材してきて、何を感じましたか? 今回は異例ずくめの総裁選でした。脱派閥がテーマとなる総裁選で、確かに派閥の締め付けがなくなり9人が立候補するなど、新たな面もありました。ただ、派閥の問題点は「カネ」と「人事」です。総裁選の終盤戦では、派閥の重鎮への要請を行う動きが表面化しました。例えば、そこで投票を依頼するかわりに人事などを約束するようなことが果たしてなかったのか。石破新総裁は勝利を収めましたが、本当に脱派閥を実現し、自民党が生まれ変わった姿をみせられるかは、ここからが本当の戦いといえます。