モラハラ毒父と絶縁したのに「今度は私がモラハラしてる…」29歳女性の悲鳴。“毒親の血”は連鎖するのか<漫画>
モラハラ加害者の視点を描き大きな反響を呼んだコミック『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』。その続編『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』(漫画:龍たまこ、原作:中川瑛/KADOKAWA刊)は、父親のモラハラ・DVが原因で絶縁した「父と娘」の物語です。 【漫画】『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』本編を読む 社内で“仏の鳥羽さん”と慕われながら、大手商社で管理職を務める男性・鳥羽。その過去の顔は、厳しすぎるハラスメント上司でした。家庭でもモラハラとDVを繰り返した結果、離婚しています。 その後、同世代の男性3人でルームシェアをする鳥羽と、「許せない毒父」のトラウマを抱え続ける娘・奈月。娘は父を許すのか? 娘もまた、毒親になってしまうのか? ハラスメントの連鎖は断ち切れるのか――? 仕事と家庭、家族のつながりについて考えさせられる話題作を、出張掲載。 さらに、3人の子どもを育てるマンガ家でシングルマザーの龍さんと、モラハラ・DV加害者のための変容支援コミュニティGADHAを主宰する原作者の中川さんに、本作について語ってもらいます(以下、KADOKAWAの寄稿)。
「自分も同じ事をしていないか、振り返るきっかけに」
――前作『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』は加害者側の心理を描いて話題となりましたが、前作発売後の読者の反応などいかがでしたでしょうか。 漫画・龍たまこさん(以下、龍):反応は様々で、「自分もモラハラ・DVに遭ってきた」「うちの夫(父)のことかと思った」「今どきこんな昭和な夫いるわけない」という声や、「スカッと系だと思って読み始めたら加害者心理がしっかり描かれていて、いい意味で裏切られた」と言う声が多く聞かれました。意外にも女性側から「自分も同じ事をしていないか、振り返るきっかけになった」という意見も多かったです。 男性は手に取りにくいだろうな、と思っていましたが、意外と男性からの感想も多く見られました。思っていたより凄い反響で驚きました。
「加害者は変わることができる」というメッセージ
原作・中川瑛さん(以下、中川):加害者側の心理を描いて多くの話題を呼んだことに対し、非常に嬉しく思っています。Amazonのレビューが1000件を超えた際には、加害者変容についての内容がこれほどまでに多くの方に届くとは思ってもみなかったため、驚きました。 表紙のイメージから、最近流行の復讐劇や加害者が報いを受ける物語(ざまぁ系)と見なされがちだったと思います。しかし、実際には読者から「全然違う結末になって驚いた」「感動した」「DVの根本的な解決には加害者の支援も重要だ」といった肯定的な反応を得られたことが、非常に嬉しかったです。私が伝えたかったのは、「加害者は変わることができる」というメッセージでした。 しかし、漫画にも繰り返し書いてある通り、被害者には加害者を支援する義務や責任はなく、加害者が必ずしも変わるわけではないという点には注意が必要です。その点を指摘するコメントも多くありました。「逃げるべきだ」とか「こういうのはほとんどありえない」といった意見もあり、それは重要な指摘でもあると思っています。