「2026年卒」就活早くも本格化…「まず首都圏、ダメなら県内」北陸新幹線延伸で流出の懸念
県内の大学に通う地元出身の大学生はこれまで、多くがそのまま福井に残って就職していた。今春の卒業生の地元就職率は仁愛大で約9割、県立大で約8割、福井工大、福井大もともに7割を超えている。
ただ、売り手市場であることから、都市部を中心に、初任給の引き上げや待遇改善を図る企業は増えている。2023年賃金構造基本統計調査によると、大学新卒者の平均初任給は、県内で22万7000円。東京(24万4500円)、神奈川(24万2700円)などに差をつけられている。
鯖江市の眼鏡製造会社の採用担当者は「まず首都圏の企業を受けて、ダメなら県内、という風潮は強まっている。待遇では正直、都市部にはかなわない」と明かす。
福井工大の鷲田美佐子・就職支援課長は「新幹線開業で、首都圏に出やすくなっただけでなく、県内での求人も広がり、就活への影響はあるだろう。地元志向の学生でも、全国展開する企業の、勤務地を限定する『エリア採用』を選ぶ傾向にある」と指摘。「就活は早期化だけではなく、長期化も進んでいる。学生には幅広い視野で、自分に合った企業を選んでもらいたい」と話している。