代表戦全校で応援の札幌山の手 ラグビー部の今昔物語
ポジションはHO。スクラムの最前列中央を担いながら、持ち前のランと高校で鍛えたタックルを長所とする。リーダーとしても踏ん張る。黒田監督によればこうだ。 「指示も的確に出して、プレーも頑張っている。それにつられて、去年まで少し目立たなかった子たちも声を出すようになった」 学校を訪問してくれたことのあるリーチと自身との距離感について、「体感では身近ですが、ラグビーのなかだったらめっちゃ遠い。まだまだ触れられないというか」。選手として高みを目指しているからこそ、いかにリーチが常人離れしているかがわかる。 印象的なのは今年5月26日。東京・国立競技場での国内リーグワン決勝だ。 東芝ブレイブルーパス東京の主将兼NO8だったリーチは、唯一のレギュラーシーズン全勝を果たしていた埼玉パナソニックワイルドナイツに対してトライセーブを披露。ピンチで身体を張る姿こそ、真のリーダーシップなのだと古谷は痛感した。 「主将が声で引っ張るのは簡単ですが、リーチさんは絶対に身体で示す。タックルして、アタックでも前に出て、ハンドリングスキルで仲間も活かす」
卒業後は大学へ進まない。もともと高校まで全力を注ごうとだけ考えていたから、来年からもう4年、真剣に戦えるかが予測できないからだ。 これからは働きながらプレーできるリーグワンのクラブに挑むか、そのまま引退するかで悩んでいる。 札幌ドームで熱戦を見守った後は、全国7人制大会、夏合宿を経て、9月の全道大会で2年連続の全国行きを狙う。高校ラグビー生活最後の季節へ突入する。 「もしかしたら、ラグビー人生が最後になるかしれないので、悔いを残したくない。妥協しないで、やり切る」 大物が青春を謳歌した地で、自分だけのストーリーを紡ぐ。