イタリアン「malca」の北野シェフのとんかつ愛が炸裂! 外苑前に期待のとんかつ専門店が誕生
肉厚にカットした豚肉を低温と高温、2つの鍋を駆使して揚げているのは田代昌雄料理長。「tonkatsu.jp 表参道」でも腕を振るった経歴の持ち主で、北野シェフとはとんかつの好みが一致し意気投合。同店の料理長を任されたそうだ。
田代料理長によれば「低温でじっくりと揚げたら、しばらく休ませて、仕上げに高温でカラッと揚げている」そうで、厚さ3cm近くはあろうかという迫力のロースカツの中心部分はうっすらとピンク色。だが決して生ではない。口にすれば、衣のサクッとした歯触りも心地よく、カッシリと歯が入る肉へのみっしりとした食感に頬は緩み、肉を頬張ばればこその高揚感に包まれる。
ロースカツが攻めるおいしさなら、ヒレはふわりと軽く柔らかく、デリケートな肉質が持ち味。カットするや、肉の表面にじわりと滲み出るコンソメの如き透明な肉汁が旨さの証だ。共に、まずは何もつけず、肉本来の味を楽しんでみたい。
もちろん、味変アイテムにもこだわりが満載だ。塩はバスク地方の湧水で作られる“アンセストラル塩”。ピレネー山脈の雪解け水が地下に染み込み、2億2千万年前の岩塩層を経て地表に湧き出た塩水を天日乾燥させたもので、言うなれば古代の海塩。ミネラルをたっぷりと含み、豊かな味わいを持つ塩味が、豚の持ち味を引き立ててくれるはずだ。
また、ソースも、前述のように温めて提供。あらかじめ用意される小ぶりのすり鉢に入った胡麻を客自身が擂るうちに、ソースが運ばれてくるという寸法だ。コリアンダー、ナツメグ、クミンと3種の香辛料をブレンドしたスパイシーなソースがより食欲に火をつけてくれそうだ。
ソースの他にも、イタリアンパセリ、バジル、ケッパーアンチョビで作ったイタリアのサルサヴェルデ、スペイン産パプリカやナッツ、クミンやニンニクなどで作るモホソースもセットで登場。いろいろ試してみるのも一興だろう。
「キャベツ」400円に「ご飯と赤出汁」500円をセットにして定食スタイルにするも良し。酒のアテとして楽しんだ後、「銘柄特選豚の特製コンソメ醤油ラーメン」1,000円で締めるもよし。コースなら「旬の野菜フライ」から「淡路島産新玉ねぎとしらすのサラダ」「神戸牛と銘柄豚のメンチカツ」や「千葉産釣りサワラのフライ」等々、デザートまで全11品を少しずついろいろ楽しめる。