イタリアン「malca」の北野シェフのとんかつ愛が炸裂! 外苑前に期待のとんかつ専門店が誕生
場所は本丸「malca」のほど近く。天ぷら店をそのまま居抜きしたという店内は、テーブル席が1卓あるもののカウンターがメイン。昼は定食スタイルのみだが、夜は、アラカルトと11,000円のコースの2本立て。とんかつの他、海老フライやサワラフライ、おひたしなどの一品料理も用意され、日本酒やワインと共にそば前ならぬカツ前も楽しめる。
さて、その肝心の豚肉だが、北野シェフがオープンにあたって選んだ豚肉は、神戸ポークと埼玉の味麗豚。北野シェフによれば「味麗豚は、脂に甘みがあり香りがいい。旨みもしっかりとして肉質も柔らかく、それでいて味わいは軽い」とのこと。それも、ミネラルたっぷりの水を与え、動物性飼料は一切使わず、良質な穀類と小麦を配合した純植物性飼料に海藻粉末や黒麹菌などをブレンドした独自の飼料を与えていればこそ。加えて、清潔で衛生管理の行き届いた環境の中でストレスなく育てられている点も見逃せない。
一方の神戸ポークは、神戸市西部の豊かな自然に囲まれた高尾牧場で飼育された雌豚。飼料に加える脂分を少なくすることで、豚が自身の力でおいしい脂を作るように仕向けているのだとか。また、毎朝毎夕の1日2回、全豚舎を消毒するなど衛生面にも徹底的に留意し、安全性の高い豚に育てている。
「今後は、イベリコやビゴール豚など海外の豚を含めてもっといろいろな豚を試していきたいですね」と北野シェフ。今もスポット的に北海道のどろぶたが入ることもあるそうだ。が、現在はこの2つのそれぞれ、ロース、ヒレが常時ラインアップされている。それも、肉質が最も良い特上の部位のみを用いている。
そこで今回いただいたのは、神戸ポークの「特上ロース」2,800円と、味麗豚の「特上ヒレ」4,300円の2種。ヒレは160g、ロースは200gとボリュームもたっぷりだ。最近のとんかつの傾向として、中をレアに揚げる衣の白いとんかつが隆盛の感があるが、北野シェフは、しっかり狐色に揚がった衣を良しとする。それでいて中はしっとりとややレア気味に、余熱で芯まで火が入るような揚げ上がりを理想としているとか。