不屈のやらまいか精神貫く 浜松修学舎中学校・高校男子バレーボール部監督 森貴明さん 令和人国記
今年1月、浜松修学舎高はジャパネット杯「春の高校バレー」全日本バレーボール高等学校選手権大会で初出場ながらベスト8入りを果たした。11月の同大会静岡県予選大会でも優勝し、2年連続2度目の全国大会出場を決めた。わずか5年程度で同校バレー部を県内のトップレベルのチームに育てた森貴明監督(66)は、不屈の〝やらまいか〟精神でチームの強化を続けるとともに、周囲への感謝を忘れない。 ◇ ■中学バレーで悪戦苦闘 浜名湖にほど近い浜松で生まれ、高校卒業まで浜松で過ごしました。 父は理髪店を経営していました。親戚も自営業ばかりで、子供の頃から理髪店を継ぐことが望まれていたように思います。しかし、跡を継ぐ気は全くありませんでした。 浜松は昔から、中学校などに熱心なバレーボール指導者が多く、県内でも特にバレーボールが盛んなところです。そんな中で、私も中学生からバレーボールを始めました。 関東の大学に進学し、4年生の時には全日本バレーボール大学選手権大会で優勝もしましたが、将来も〝部活〟がやりたいと思い、卒業後は浜松に戻って公立中学校の教員になりました。念願どおり、3つの中学校でバレー部を指導。しかし、これが悪戦苦闘のはじまりでした。 初めてバレーボールに触れる生徒たちに教えるわけです。最先端のプレーをしてきた自負はあっても、教える内容は最低限のところからです。どうしたらいいのか、という試行錯誤の連続でした。 ■着任ほどなく中学制覇 その後、浜松市や静岡県の教育委員会に異動したため、しばらくバレーボールから離れましたが、浜松市立高校に異動後は再び教員となり、ここでも5年ほどバレー部を指導しました。市内の中学校で教頭や校長などを務め、6年前に定年を迎えました。その際に浜松修学舎からお誘いを受けました。男子バレー部を強化したいとのことでした。 浜松修学舎は中高一貫校で、着任2年目には中学校のバレー部も創部。その3年後に、全日本中学校バレーボール選手権大会で優勝を果たしました。その時の喜びは忘れられません。 そして、その時の主力メンバーが現在の高校バレー部の2年生になっています。初出場した今年初頭の春高バレー全国大会では準々決勝にまで進めました。しかし、指導者としての後悔があります。