不屈のやらまいか精神貫く 浜松修学舎中学校・高校男子バレーボール部監督 森貴明さん 令和人国記
準々決勝の相手は鎮西(熊本)でしたが、ものすごい高さとスピード、パワーを目の当たりにしました。これが全国のトップを走るチームなのだ、と。そこで、うちとはこんなにも差がある、と思ってしまった。
選手たちにも〝われわれには失うものは何もない。思い切って戦い、楽しむように〟と伝えました。これが失敗でした。
全ての選手たちの力量を見極める眼力を持っていたら、もっと具体的な指示を出せたし、そうしなければいけなかった。そうしていたら、このセットはとられても次のセットはわからない、というゲーム展開が組めたかもしれない。
■当たって砕けてはダメ
当たって砕けろ、はダメです。虎視(こし)眈々(たんたん)と狙っていかなければ勝てません。
とはいえ、そういうのは終わってからわかるんですよね。今年は改めてそういうことを学びました。
来年1月5日に開幕する春高のバレー全国大会には、そういったことも改善して臨みます。
前年に続く2度目の挑戦ですが、プレッシャーはありません。それよりも、応援や支援をしてくださる方々、いつも一緒にいる生徒たちに感謝し、ともに全力で戦いたいと思います。(聞き手 青山博美)
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もり・たかあき 昭和33年、浜松市生まれ。中学生時代からバレーボールをはじめ、順天堂大4年時に全日本バレーボール大学選手権大会で優勝。卒業後は浜松市の公立中学校の教員となり、バレーボールの指導も始める。浜松市や静岡県の教育委員会職員や浜松市立高の教員、浜松市立の公立中学校教頭、校長などを経て、平成30年に浜松修学舎中学校・高校のバレーボール部監督に就任。