個性が爆発! 衝撃デザインの「面白い車」を世界中から厳選
自動車の歴史には、独創的なアイデアや大胆なデザイン、革新的な技術で時代を切り開いた個性的な車が数多く存在する。時代を先取りし過ぎたものから、独特な個性で人気を博したものまで。世界各国の興味深い車たちをご紹介。 【写真集】世界の珍車&迷車図鑑 惜しすぎた傑作から笑えるほど個性的な名車まで
イソ/BMW「イセッタ」(1953年-1959年)
1953年にイタリアのイソ社が発売したマイクロカー。フロントパネルが大きく開き、そこから乗り降りする。社内にはベンチシートが一つあり、そこに大人2名と、子ども1名が座れる。 1955年にBMWが権利を買収。第2次世界大戦前から高性能車を作っていたBMWは、戦後、経営状態が悪化していた。そこで、「イセッタ」を庶民の足として生産し、経営の安定を狙ったのだ。 当初はバイク用245ccエンジンを搭載していたが、最終的に582ccまで大型化。イタリアの著名な公道レース「ミッレミリア」にも出場し、上位を独占した記録がある。
日産「エスカルゴ」(1989年-1990年)
「エスカルゴ」はフランス語でカタツムリのこと。ネーミングそのままのユニークなデザインのフルゴネット(小型商用車)で、側面にはお店のロゴなどを大きくペイントでき人目を引いた。 ユーモラスな姿を実現するため、フロントグリルをなくし、ヘッドライトも法規の限界まで中央に寄せている。さらに、ボンネットも職人の手で丸みのある仕上げを施されている。
富士自動車「フジキャビン」(1956年-1957年)
日本を代表する工業デザイナーの一人、富谷龍一氏が合理性にこだわって作った三輪車。ヘッドライトが一つのユニークなボディは、日本で初めて車体にFRPを使用した画期的なものだ。 車両重量は130~150kgほどしかなく、120ccエンジンでも60km/hまで出せたとされている。超が付くほど効率的だった一方で、走行性能に難があり、室内の換気がしづらいなど快適性にも問題があった。 結局、85台を販売したところで生産を終了。FRPの生産技術が未熟だったことから、量産が難しかったとされている。
ボンド・カーズ「バグ」(1970年-1974年)
イギリスの三輪車メーカーであるボンド・カーズが作った、前一輪、後ろ二輪の三輪車。若者向けのファンカーとして販売され、当時から変な車だったらしい。 三輪車は遅いイメージが当時からあったものの、400kgに満たない車重で700~750ccのエンジンを積んだ「バグ」は意外なほど速く、最高速度は実に120km/h以上。運転して楽しい車として売り出された。 価格があまり安くなかったことや、乗り心地が良くなかったこと、FRPのボディの品質があまり良くなかったことなどから評判は良くなかったが、約4年で2700台ほどが生産されたとされている。