「1年で潰れる」と言われて「日刊ゲンダイ」は50年…寺田俊治社長が激白 最大の売り“激烈な一面見出し”は「私が1人で付けています」
猫と競馬
特別号で一番のヒット商品は2021年から発行を始めた「日刊ニャンダイ」。猫に特化した猫好きのための情報、画像、愛猫家の寄稿を詰め込んだものだ。創刊以来“政治紙”として売ってきた日刊ゲンダイがこんな特別号を出したことには、ある意味、東スポが餃子を売り出した以上の違和感があった。ところが、意外にもこれが大ウケ。毎年発行を続けるほどのヒット商品となり、今年で4回目を数える。 「好評ですね。これを出すのは毎年2月22日前後。その日は猫の日なんだよ。ニャンニャンニャンっていう日(笑)。ニャンダイから派生したカレンダーだとか、そういう商品も作ってます」 猫が特別号の稼ぎ頭なら、通常号の売り物の主要コンテンツは競馬である。「夕刊フジの休刊を機に、フジの愛読者だった方々に言いたい」と寺田社長はこうアピールする。 「一回、騙されたと思って日刊ゲンダイを読んでみてほしいんです。読んでみれば、いいな、と思えるところがあるんじゃないか。ウチの独自の競馬の見方とか、競馬専門紙とのコラボの面白さだとか、興味を持っていただける情報や中身があると思いますから」
若手が能登半島地震の現場に
ここ数年のマルチな展開には若い記者の育成も欠かせない。「話題の現場 突撃ルポ」というコーナーを作り、社歴の浅い若手を積極的に現場に送り込んでいる。ここで兵庫県知事選投票日直前、斎藤元彦候補を応援する選挙民の異様な盛り上がりを伝えた記事は実に生々しく、臨場感たっぷりの面白さだった。 「あのコーナーは若手をデスクにして、若手だけのグループで回してるんです。きっかけは能登半島地震。記者を現場に行かせたほうがいいのか、デスクが躊躇してたんで、思い切って行かせろと、僕が言ったんだ。危険もあるし、道路も寸断されていて現地に行けるかどうかもわからなかったけど、若手2人で行かせたらいい原稿を書いてくれた。それで、若手たちから、ああいう現場で直撃みたいなのをやりたいというプランが出てきたんです」