「元号とは」歴博の小倉准教授が解説(全文)これまで元号に使用された漢字は72文字
新元号案に使われる文字は?
司会:(英語) 小倉:まず新しい元号の案についてなんですけども、これはなかなか難しいんですが、1つにはやはり簡単な文字を使うということは間違いないだろうと。それから、例えば著明な人物に関わる名前などは使われない可能性が高いだろうというふうには思われます。 もう1つ、元号を使用する割合の変化ということですけれども、平成の前の昭和は西暦と昭和の違いが25年ということで計算しやすかったのですが、平成ではそれが難しいということでなかなか使いづらくなっているということがあります。 司会:(英語)
新元号にはどのような言葉が選ばれるのか
記者1:(英語) 小倉:報道されてることですけれども、安倍総理大臣は希望を持てるような年号にしたいということを語ってるというふうに報道されています。実際にどのような元号を考えるのかということなんですけれども、大事なことは元号の言葉というのはあまりこれまで使われてない、その言葉としては、熟語としては使われてない言葉が選ばれる可能性が高いだろうと。しかし一方で、その元になる出典について、いい意味を持った、あるいは希望を持たせるようなものが選ばれるのではないかと思われます。 司会:(英語)
元号と天皇との関係は?
記者2:(英語) 小倉:天皇に対するというよりは、むしろ社会、国民に対して示すという意味合いが大きいと思われます。ただ、これまでの前例では天皇がなくなったあとにその元号が追号として使われるということになっていますので、将来的に、新天皇にふさわしい元号になるということまで考慮される可能性はあると思います。 司会:(英語)
一世一元の考え方はいつ生まれたのか
記者3:(英語) 小倉:一世一元の考え方なんですけれども、考え方自体は江戸時代の学者で、一世一元にすべきだということを考えている人はいました。なぜかと言いますと、要するに元号というものは天皇が公布するということになっていたので、元号がより強く認識されるようになれば天皇の権力も強まるということにつながっていきます。近代になって政府が一世一元の制を導入したということは、天皇権力を高めるためであったというふうに考えられます。 司会:(英語) 小倉:元号をある時代の象徴として使うということは、実はこれはかなり昔からあります。1つの天皇の間に何度も元号が変わっている場合でも、特徴的な元号がある場合には、その元号を使って天皇、あるいは時代を呼ぶということが行われました。明治、大正について申しますと、明治は国の制度が大きく代わり、日本が近代化に向かって進んだ時代というようなイメージが明治という言葉には付されています。大正という時代は、世界的に民主化が進んだ時代でもあったので、デモクラシー、民主主義と関連付けて考えられることが多かった。 司会:(英語)