スイスの元プライベートバンカー「1ドル300円の可能性」…日本の財政破綻リスクを警告「考えたくない恐ろしい出来事ですが…」
20年間にわたり、日系・米系・スイス系・独立系の金融機関で富裕層の資産運用のサポートを行ってきた世古口俊介氏。そんな世古口氏は、「富裕層でも資産運用の必要がある」と指摘する。そもそも日本の富裕層はどのようなタイプに分類され、なぜ資産運用が必要なのかを、世古口氏が解説する。 ※本書は世古口俊介著『富裕層のための米ドル債券投資戦略(総合法令出版)』から抜粋・編集したものです。
富裕層、5つのタイプ
まず富裕層がどんな人たちかのイメージをお伝えします。一言に富裕層といってもさまざまな種類の富裕層が存在します。富裕層の方々の資産運用をお手伝いしている当社のお客様で特に多い富裕層の種類としては次の5つのタイプに分かれます。 ① 未上場会社オーナー 事業を行う未上場会社の株式を保有している会社創業者など。毎年の事業会社の利益が積み上がり余剰金融資産となる。税金が高いので個人に役員報酬をたくさんは出すことが少なく、会社に資産が蓄積される特徴がある。 ② 上場会社オーナー 創業した会社が上場し、保有する株式の価値が数億円以上になっている富裕層。上場会社の現役経営者で、インサイダーの関係で株式が売却できず、現預金よりも上場株式をたくさん保有していることが多い。 ③ 会社売却オーナー 前述の未上場会社や上場会社を売却し、数億円以上の現預金を得てお金持ちになった富裕層。現預金があるのでどんな資産にでも投資できるが、一方で会社を手放しているので役員報酬などの収入がなく売却代金が唯一の資産になっており、意外とリスク許容度が低いことが多い。 ④ 相続富裕層 資産家のご両親や祖父母がなくなり、多額の資産を相続したことによって資産家になった富裕層。突然、資産を手にしたのでどのように資産運用を行えばよいかわからず保有資産額と投資リテラシーのギャップに悩む方が多い。 ⑤ フローリッチ富裕層 医師、大企業の経営幹部など年収が数千万円以上あり、そのフロー収入を蓄積して1億円以上の金融資産となった富裕層。一番多そうな富裕層のパターンに見えるが、収入が高いと支出も増えるので意外と数億円以上の金融資産を貯蓄できる人は少ない。 私の肌感覚ですが、純資産を数億円以上保有している富裕層だと未上場会社オーナーが一番多く、全体の4割を占め、上場会社オーナー、会社売却オーナー、相続富裕層がそれぞれ2割弱、フローリッチ富裕層が1割弱くらいの割合になると思います。