【特集】結局のところ「コンピューターRPGの難易度」って?変遷の歴史に考えを巡らす
一方で同時期でも、『ウィザードリィ』と同じく国産RPGに影響を与えた『ウルティマ』(1981年)は、「死んでしまっても生き返れる」機能を実装していました。ただし、デスペナルティがあまりにも重い(武器や乗り物・所持金を失う、復活位置がランダム)ため、死んでしまったらリセットして最後にセーブした場所から遊び直すプレイヤーが大半だったようです。
「ゲーマーならRPGではなくアドベンチャーゲーム」?当時は高難易度だったんです
当時のゲーマーがこれらの要素を高難易度と思っていたか?については意見が分かれるところで、例えば「ウィザードリィ ハンドブック」(1986年、BNN刊)には、当時のPCゲーム誌「遊撃手」(BNN刊)に寄せられた「ウィザードリィなんてダンジョンを回って敵を倒してレベルを上げるだけで簡単でつまらない、ゲーマーならばアドベンチャーゲームをやるべき」という趣旨の中学生の読者投稿が紹介されています。
「アドベンチャーゲームがRPGより高難易度」というのは現代のゲーマーからすると驚くべき意見かもしれませんが、当時のアドベンチャーゲームは現代のようなコマンド選択で進行するようなものではなく、自分でコマンドをキーボードから入力していくものでした。正解のコマンドにたどり着くまでには相当の発想力や、ゲームが受け付ける記述について開発者の思考を類推する推察力を問われるものも多く、当時のアドベンチャーゲームは一筋縄ではいかないジャンルだったのです。「レベルを上げて物理で殴ればいい」という、今でもRPGを揶揄して言われるような概念が当時すでにあったことにも驚きです。
2作目以降の『ウィザードリィ』にはこうしたキーボード入力の謎解き(FC版移植ではアイテムで代用)が登場したのは、こうした意見が決して少なくなかったからなのかもしれません。とは言え、先述の「ウィザードリィ ハンドブック」の読者投稿欄には「ウィザードリィ難しい!」という意見が大半であり、「簡単だ」という意見は少数派であったことは留意する必要があります。
【関連記事】
- 人気ローグライクACT続編はまさかのハクスラRPGに!『斬妖Raksasi2』開発中―『ディアブロ』風のゲームプレイスタイルに移行
- 戦士をゲットだぜ!GB風グラフィックRPG『Letalis』Steam早期アクセスでリリース―集めた戦士を鍛えてコロシアムでバトル
- 【吉田輝和の絵日記】クズな父親とあばずれの母親から生まれたモヒカンがサバイバル生活を始めました。サンドボックスオープンワールドRPG『Elin』
- 海外レビューハイスコア『Alaloth: Champions of The Four Kingdoms』最終決戦を避けて遊び続けたくなる昔ながらのRPGだ
- 『FF14』高難度コンテンツ「絶もうひとつの未来」世界初クリアチームが現れるも“外部ツール使用”が明るみに…日本チーム「Lucrezia」は配信上で世界第2位の快挙