【北九州記念】前で立ち回れる馬を中心視 京大競馬研の本命はピューロマジック
前で立ち回れる馬を中心視
6月30日(日)に北九州記念(GⅢ)が行われる。今年の夏は中京と小倉の開催順が逆になり、このレースは開幕週での開催となった。昨年のCBC賞、北九州記念を連勝したジャスパークローネや葵Sを見事な逃亡劇で勝利したピューロマジックなど多くのスプリント重賞好走馬が集結した。しかし例年通り、完全に能力が突出した馬はおらず、展開一つで着順が入れ替わる大混戦模様。非常に難解な一戦となる。 【北九州記念2024 推奨馬】複勝率77.8%の強力データ持つ伏兵馬あり! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる小倉芝1200mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは小倉芝1200mのコース形態を見る。向正面の2コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約480m。2コーナー地点が最高部のため、スタート後約200mは高低差約2mの下り坂となっている。その後の3~4コーナーも下り坂でスパイラルカーブとなっていて、最後に293mの平坦な直線が待ち構えているコースレイアウトだ。 まず注目すべきは初角までの距離が約480mとかなり長いこと、そしてスタート後下り坂になっていることだ。先手争いが長引きやすく、下り坂のためダッシュもつきやすい。スプリント戦で先行馬がそれなりに揃っていることがほとんどのため、序盤のペースは上がる。どのクラスでも前半600mは33秒台前半から32秒台で流れることがほとんどだ。 その後の3~4コーナーも下り坂のためペースは落ちにくい。またスパイラルカーブを採用しているため、スピードを保ったまま直線に入ると外に振られやすく、出来るだけラチ沿いを通ることが重要だ。序盤、中盤のペースは流れるが、ペースが緩む地点がないため馬群が縦長の状態で直線を迎えることが多い。加えて最終直線が短く、スパイラルカーブで先行馬が外に膨らむため、その外々を回した差し馬は距離ロスが大きくなりすぎて物理的に前まで届きにくい。よって前目で立ち回った馬が惰性で残る。これがこのコースが持つ特徴だ。 差し馬の場合は序盤、中盤での追走力が問われる上に、ラチ沿いを追走しイン差しをしてくる形でなければまず頭まで届かない。さらに今年は開幕週の施行であるため、このレース傾向は色濃くなると予想される。 この傾向は数字からも明らかだ。過去10年、開幕週(※連続開催除く)の小倉芝1200m、3勝クラス以上のレースにおける4角3番手以内の馬の成績は【10-8-6-22】勝率21.7%、連対率39.1%、複勝率52.2%、単勝回収率178%、複勝回収率131%と非常に優秀だ。ちなみに馬場が渋っても該当馬は変わらず結果を残している。馬場に依らず、前で立ち回れる馬を中心に印を打っていきたい。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が5頭(前走海外のジャスパークローネを除く)と出走馬全18頭に対し少なくない。またその他にも距離延長馬が3頭いて、テンが速い馬も多い。コースの特徴通り速い流れになることはほぼ確実だろう。この展開で恵まれるのはやはり前目で立ち回れる馬だ。その中でも出走馬同士の並びから出来るだけラチ沿いを追走できそうな馬を高く評価していきたい。