自分より他人を優先してしまう人が、自分に自信を持つための心がけ
「自信」とは何でしょう。読んで字のごとく「自分を信じる」であることに間違いはないのですが、ことあるごとに「自信を持て」と言われたり、ときに「自信家」などと揶揄されたり…ちょっとやっかいな概念であることは事実です。 でも、持てるものなら持ってみたい…。 そこへ「自信を得たければ、自分の今までの人間関係を変えること」と説くのは、早稲田大学名誉教授で心理学者の加藤諦三(たいぞう)さん。 自身の著書『自信ー心を強くするのは、それほど難しくない』(三笠書房)を紐解き、自信を得るための人間関係について考えてみましょう。
これまでの人間関係が、自信を欠如させている?
自信を得たければ、自分の今までの人間関係を変えることである。自分の自信の欠如は、今までの自分の人間関係が原因しているということを自覚し、新しい人間関係をつくることである。 (『自信ー心を強くするのは、それほど難しくない』28ページ) 加藤さんによれば、自信の有無は本人の問題だけとは限らないということ。自信のない人は、「周囲の人に翻弄されることで自信を失ってきたはず」と加藤さん。周囲の人とは、同僚や友人はもちろん、親の影響もとても大きいとか。 他人に嫌われることが恐くて、身をすりへらして好かれようとする。体面を維持することに腐心するあまり、自分は空無となってしまう。(中略)だから人に好かれることしか考えない。自分の人生に目的がない。 (『自信ー心を強くするのは、それほど難しくない』9ページ) なんとなくわかりますよね。認めてもらいたくてがんばったのに自分だけ評価されない、高圧的な態度に萎縮してしまって実力が発揮できず、ますます自信が失われていく…。 とはいえ、さまざまなコミュニティに属しながら生きる私たちにとって、「今までの人間関係を変え、新しい人間関係をつくる」ということは容易ではありません。 今の人間関係のなかで、意識できることはあるのでしょうか。また、自分の行動変革で自信を持てるようになれるのでしょうか。