「iPhoneに盗聴されている気がする」会話内容が広告表示されるのは“錯覚”か。デジタル広告の正体とは
◆便利と引き換えに、個人情報が奪われるリスクは常にある
「iPhoneに盗聴されていて広告が出る!」からスマートフォンを使いたくない人は、スマートフォンを手放すか、できる限りさまざまなアプリでデータの提供をしないという設定にするしかない。位置情報は常にオフにし、SNSは削除する。ブラウザもデータを拾わないアプリにするしかない。ただスマートフォンとパソコンがひも付けられていれば、ある程度のユーザーデータはいろいろなアプリなどに収集されてしまうだろう。 もちろん、デジタル世界から抜け出すと、便利さが失われるだけでなく、今のデジタル依存した世界では生活に支障が出るかもしれない。そう、便利さの裏に、個人情報やデータが奪われるリスクが常にあるというのも、私たちが暮らすデジタル世界の実態であることを忘れてはいけないのだ。
◆「新宿までタクシーで何分かかる?」知人ではなくSiriが反応
今回の話で、もう1つ注意すべきなのは、SiriやGoogle Assistantなど音声操作ができるガイダンスのアプリだ。 先日、Apple Watchを着けている知人とタクシーに乗っているときに、こんなことがあった。移動中の車内の会話で、行き先までどれくらい時間がかかるかな、と筆者が言うと、知人ではなくSiriが反応し、「ご用件は何でしょうか」と反応したのである。そこで「新宿までタクシーで何分かかる?」と質問すると、すぐに答えを教えてくれた。 何が言いたいかというと、こうしたアプリは私たちの会話を聞いていて、反応するための「トリガー」を聞き逃すまいとしているのだ。そしてユーザーの要求に応じて、オンライン上で検索した情報を代わりに調べてくれる。ただこうしたやりとりや検索などの記録は、ほぼApple Watchやスマートフォンに接続されているアカウントの元に記録される。この際に別のアプリに接続などすると、その情報が広告に使われる可能性がある。 これを避けるためには、SiriやGoogle Assistantなど音声ガイダンスのアプリを停止すること。iPhoneやAndroidでは設定からマイクもオフにできるので、オフにしておくことも一案だろう。使うたびにオンとオフを切り替える設定にすることもできる。