持て余した“切り干し大根”がタイ料理に変身!シャキシャキ感がおいしい簡単“ソムタム”のつくり方
料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回のお題は“切り干し大根”。持て余してしまい、なかなか使い切れずにいることはありませんか? 【写真を見る】持て余した“切り干し大根”がタイ料理に変身!シャキシャキ感がおいしい簡単“ソムタム”のつくり方
■“切り干し大根”はもどせばすぐ食べられる! 保存がきくからと、買いおきしがちな“切り干し大根”。油断していたらとっくに賞味期限切れ、しかも変色してした……というのは、乾物あるある。しかも、煮物以外になかなかレシピが思い浮かばず、使い切るのが難しいと感じている人も多いはず。尾身さんは切り干し大根、いつもどうやって食べてますか? 「うちでは意外と、煮物以外の料理にすることが多いんです。よくつくるのは、ハリハリ漬け。炒め物にしてもおいしいんですよ。和食のイメージが強いと思うんですが、今回はエスニック料理に使います!」 そう話しながらつくってくれたのは、なんとタイ料理では定番の“ソムタム”。本来は青パパイヤのせん切りを使うサラダで、ナンプラーや唐辛子をきかせた甘酸っぱいタレで和える。尾身さんは、なかなか手に入れにくい青パパイヤのかわりに、切り干し大根を使うというわけなのだ。 「シャキッとした食感がソムタムにぴったりなんです。しかも、切り干し大根は水でもどすだけ。青パパイヤを切る手間いらずで、おいしく食べられるんですよ」 確かに、切り干し大根は水でもどせば火を通さなくても食べられるので、災害の備蓄にも適しているといわれる。実は手間まで省けてしまう、便利な食材なのだ。 ■パパイヤにも負けないおいしさに開眼! さて、おいしいソムタムをつくるために覚えておいてほしいのが、切り干し大根のもどし方だ。サッと洗って汚れなどを落とし、ひたひたの水に浸して10分ほど放置したら水気をしぼるだけなのだが、このもどし時間が大切!尾身さん曰く、やや歯ごたえのある食感が残っている状態にもどすと、ソムタムに合うというのだ。 「水に長く浸し過ぎるとやわらかくなってしまうので、食感がほしいときはもどし時間は10分くらいにとどめておくのがおすすめです。それからソムタムに限らず、どんな料理をつくるときも、切り干し大根をもどすときの水はひたひたぐらいの量にしてください。たっぷりの水に浸してしまうと、旨味が抜けてしまうので」 これまで適当にもどしていたことを反省……!切り干し大根を使うどんな料理も、もどし方に注意するだけでもっとおいしくなるに違いない。 さっそく、完成したソムタムも試食してみると、切り干し大根がコシのあるシャキシャキ感でなんとも心地いい!ナンプラーとレモン汁の甘酸っぱいタレもほどよくしみて、干し海老の旨味とさわやかなパクチー、ピーナッツのコクもきいている。持て余していた切り干し大根も、これならあっという間に食べきってしまいそうだ。 □“切り干し大根のソムタム”のつくり方 ◇材料 (2~3人分) 切り干し大根:40g(もどしてザク切りにする) ★ 具材: ・ 桜海老:5g(乾炒りしておく) ・ 赤パプリカ:40g(せん切り) ・ ズッキーニ:50g(せん切り) ・ セロリ:50g(せん切り) ・ さやいんげん:5本(ゆでて斜め切りにする) A : ・ 水:50ml ・ 酢:大さじ2 ・ 砂糖:小さじ2 B : ・ パクチーの根っこ:1株分(みじん切り) ・ ナンプラー:小さじ2 ・ レモン汁:大さじ2 ・ 米油:大さじ1/2(サラダ油でも代用可) ・ 青唐辛子の輪切り:1/2~1本分(好みで) ピーナッツ:適量(粗く砕く) パクチー:適量(葉をつむ) (1)調味料を混ぜる Aを耐熱容器に合わせ、電子レンジ(600W)で30秒ほど温めて、砂糖が溶けるまで混ぜる。もし青唐辛子がない場合は、ここでAに赤唐辛子の輪切りを加えて電子レンジにかけて、辛味を引き出すとよい。 (2)切り干し大根にもみ込む もどした切り干し大根にAをもみこむ。 (3)具材を和える 具材を混ぜ、Bを加えて和える。器に盛ってピーナッツを散らし、パクチーをのせる。 --------------- ――教える人 「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」 料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。 --------------- 文:大沼聡子 撮影:海老原俊之
大沼 聡子