住友ゴム、乗用車やトラック用タイヤの米国工場を閉鎖 収益性の改善見込めず
住友ゴム工業は、乗用車・トラック・バス用タイヤやモーターサイクル用タイヤを製造する米国工場を閉鎖すると発表した。工場の生産性や収益性が低く、収益の改善が見込めないことから稼働を停止する。工場に設けている研究開発部門は北米の別の子会社に移管し、北米でのタイヤ販売も継続する。工場閉鎖に伴い今期、合計約747億円の費用を計上する見込み。2024年12月期の当期利益予想は前回予想の410億円から10億円に下方修正した。 米国のタイヤ生産拠点であるスミトモ・ラバーUSAは、グッドイヤーとの合弁工場だったが、15年10月に住友ゴムとグッドイヤーの提携解消に伴い単独で運営してきた。1923年に操業を始めた同工場は生産性が低く、米国生産子会社の2023年12月期業績は当期損益が76億円の赤字だった。 同社は現在、事業の選択と集中を進めている。同工場で生産したタイヤを北米市場で販売しても当面採算が確保できないと判断し、工場閉鎖を決定した。生産部門の事業活動を停止して解散する。従業員約1500人は基本的に解雇する。 また、同工場に併設しているタイヤの研究開発機能は、住友ゴムの子会社SRIアメリカに移管し、米国での研究開発は継続する。タイヤ販売会社のスミトモ・ラバー・ノースアメリカによる北米でのタイヤ販売も継続する。 工場閉鎖に伴い、24年7~9月期に北米構造改革関連費用として465億円を計上したほか、10~12月期に解雇費用や途中解約違約金など約282億円を計上する見込み。その結果、今期の通期業績見通しの営業利益は、前年同期比92%減の50億円と大幅減益となる見通し。