柳楽優弥&中川大志が信頼を築くためにしていること「必要なものはリスペクト」
堤監督の現場は「一発OKが多い」?
――堤監督と話したことや、現場で感じたことなど教えていただけますか。 柳楽 一発OKが多いですよね。 中川 そうですね! 柳楽 ペースが速いんですよ。 中川 あ、いいんだ!って思います。 もう1回やらなくていいんですか?って。意外とそれはそれで不安になるんですよね。 昔、ご一緒されたときは違ったんですか? 柳楽 どうだろう。早かったかもしれない。「俺がOKって言ってんだから!」って言われるんだよね。 ――柳楽さんは堤監督とは久しぶりにご一緒されたんですよね。 柳楽 16歳のときに出演した『包帯クラブ』という作品でご一緒したのですが、当時、どうすれば演技がうまくなるんだろう、と考えている時期だったんです。でも、『包帯クラブ』はなんとなく良い感触が得られた作品でしたね。これが自分がやっていく方向なのかな、って。個人的に達成感があった作品だったので、また堤監督とできるのは嬉しかったです。子どものときに会っている人に再会できるのはまた特別なんですよね。 --長く続けていらっしゃるからこそ、ですよね。 柳楽 すごく幸せなことだな、と思います。 ――中川さんは、今回、先輩の柳楽さんとの現場はいかがでしたか。 中川 柳楽さんとはCMでご一緒していたんですけど、そのときから作品でもご一緒してみたいな、という思いがずっとあったんです。自分がこの世界に入る前から見ていた先輩ですから。特に今回は、少しずつバディのような関係性になっていくということだったので、そこも楽しみでした。 漫画と現実とのバランスがすごくアラタの役も難しいところだと思うんですけど、それをこういうバランス感覚でやるんだ!っていう。それが現場で見ていて楽しかったですし、刺激を受けて、僕も気合が入りました。
集中しやすい環境だった撮影現場
――物語はシリアスなシーンも多かったと思うんですが、現場の雰囲気についても教えていただけますか。 柳楽 堤さんはわりと毎回同じスタッフさんで、多分今回はカメラマンさんを変えてたんじゃないかな? カメラマンさんは大志くんと大河ドラマをやっていて。 中川 「鎌倉殿の13人」で、チーフで撮っていた方ですね。 柳楽 それぞれ信頼できる関係性の人がいたので。黒島さんはどう感じていたか分からないですけど、やっぱり大変だったんだろうな、とは思いますけど。僕は集中しやすい環境だったなとは感じます。 中川 現場はそんなにピリピリしていなかったですよね。 柳楽 こんなにみんなが穏やかなことはありません(笑)。 中川 締まるところは締まりますけど(笑)。 黒島さんとは、アクリル板を介していない場所ではあまり会わないように、お話をしないように、という距離感は自然とありましたけど。そこは徹底していました。 ――撮影中の印象的なエピソードがあれば教えていただきたいです。 柳楽 法廷のシーンがわりと長丁場だったよね。 中川 1日ありましたね。 柳楽 終わったときにエキストラさんから拍手が起こったんですよ。みんなで何か乗り越えたような感じでした。撮影なので、楽しいとは言え、やっぱり集中しなければいけないし、クリエイトしていく、みたいなことがあるわけなので。 ただ、エキストラさんが拍手してる現場って初めてだったので謎の一体感が生まれましたね。 中川 法廷のセットってちょっと劇場みたいな感じもあるんですよね。お客さんたちがいてアラタはそちら側にいるんですけど、特に検察官と弁護人が話しているようなシーンは多分舞台を観ているような。だからその拍手だったのかな。 ――ちなみに、おふたりで盛り上がった話題があれば教えていただきたい。 柳楽 英語の勉強をしている、みたいな話が一番盛り上がったね。 中川 そうですね。 柳楽 あと、僕がちょっとカメラ回していたり……。 中川 なんでしたっけ。アラタ目線で、みたいな。 柳楽 そうそう! 中川 カメラをアラタだと思って芝居するときに、本当にカメラを柳楽さんが構えて。 柳楽 さすがにそれはテストだけでしたけどね。 中川 あとは、CMの現場では月に1回ぐらいのペースで会っていたので月にそのときの思い出話をしていましたね。