柳楽優弥&中川大志が信頼を築くためにしていること「必要なものはリスペクト」
中川が担う、作品の世界観の中にある生々しさ
――中川さんは今回の宮前光一を演じる上でどのように深めていかれたのでしょう? 中川大志(以下、中川) 死刑囚と結婚するという、しかも突然現れた、本人とは面識もない男が結婚する。かなりぶっ飛んだ設定ですよね(笑)。漫画が原作としてある中で、宮前のキャラクターはこの作品において大きな事件を扱う弁護士として、その設定に説得力を持たせる役にできたらいいな、と思っていました。 それが法廷でのシーンであったり、弁護士としての立ち居振る舞いだったり。この作品の世界観の中でどこか生々しさがあることになって、真珠とアラタの異質な関係性がより浮き上がってくるかな、と思ったんです。今回、弁護士指導の先生が現場にいてくださったので、いろいろと話を聞いていました。 ――確かに、真珠とアラタの異質さが作品の要でもありますよね。 中川 ドラマでも映画でも、これまでたくさんのリーガル作品がありましたけど、現実の通りにやると、どうしてもドラマティックにならないんですよ。でも、そういったところをどういうふうにリアルと堤監督が作るエンターテイメントを繋いでいけるか、ということを常に考えていたような気がします。 ――作中では、宮前が真珠に寄り添おうとしているような姿も印象的でした。 中川 死刑囚を手弁当で弁護しなきゃいけないって相当なことですよね。相当な覚悟と忍耐力がないとできないと思うんです。自分にとってはリスクの方が大きいわけじゃないですか。だから、そこが宮前の強さかな、と思います。
物語の要、真珠の魅力とは
――おふたりから見て、黒島さん演じる真珠の魅力がどういったところか、お聞かせいただけますか。 柳楽 真珠が考えていることや明かさない部分とか、これって女性が観たらどう思うんだろうな、ということは考えました。共感できるところがあるのかな、とか。例えば高校生や大学生が観てどう思うんだろうなとか。 ――他の人の意見も聞いてみたい? 柳楽 そうです。真珠に共感というか、シンクロできる、コネクトできる人ってどこなんだろう、って。そういうレビューが観られたらおもしろいな、と思います。 中川 アラタもセリフで言ってましたけど、会うたびにどれが本当の顔なんだ、と思うんですよね。いつも別人のような彼女がいて、一番奥底にある、ブラックホールみたいな……そこに何があるのか、見えないからこそ気になってしまうんですよね。 でもきっと完全に見えないのではなくて、それが見え隠れしているんですよね。それは傷なのか、トラウマなのか、弱さなのか。果たしてそれが何なのかは分からないですけど、それがふとした瞬間に見え隠れするんです。そこが1回チラッと見えたら、もう開けたくなってしまうみたいな。なんか宮前、そんなセリフ言ってませんでした? 柳楽 言ってた。そこばっかり気になるところになっていくというか。 中川 そうかもしれないですね。