「無料だから」と何でももらうのはNG…生前整理・遺品整理のプロが語る、ティッシュや割り箸など「無料配布物」の落とし穴
「片付けなければ」と考えながらも、なかなか手が進まない人は多いのではないでしょうか。部屋を片付けないままもしものことがあったら、家族は大変困ることになります。生前整理・遺品整理アドバイザーで、一般社団法人日本遺品整理協会理事でもある上東丙唆祥氏の著書『人生最後の片づけ・整理を始める本』(メディア・パル)より、一部を抜粋して紹介する本連載。上東氏が、自分のため、家族のために行うべき、人生の後半に後悔しない片づけ・整理の方法を解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
「無料だから」となんでももらってくる人は悪人?
レジ袋は有料になりましたが、ポケットティッシュ、化粧品や洗剤のサンプル品、割り箸やスプーン、すしコーナーのしょうゆ、わさび、ガリなど、無料でもらえるものはたくさんあります。しかし、あなたが亡くなったあとに片づけ専門の私たちに捨てさせるとしたら有料です。大いなるムダです。 使わないものを保管している棚もムダです。貸しコンテナや私書箱などを利用すれば料金がかかります。ひとり暮らしの若者が、使うためにもらってくるのならわかります。でも、いい歳をしたあなたがもらう必要がありますか? 私の子育ての話ですが、店のオープニングで配られる風船などは「遊ぶならもらってもいいけど、いましか持って歩かないのなら返してきなさい」と伝えていました。 考えずに生きている人は、無料の配布物を疑問に思わずに自動的に受け取っているのだと思います。 あなたは、自分に必要か必要ないか、部屋に必要か、環境にどう作用していくのか、などを考えることができるはずです。不必要ならば、もらったとしても返す勇気を持ちたいものです。 だれも受けとらなければ、企業も宣伝方法を変え、資源のムダが減ります。私は、何も考えずに「無料だから」となんでももらってくる人がいちばん悪人だと思います。
育ててきた植物は、自分の手で命をまっとうさせる
ガーデニングを楽しむ人に、ひとつ発想の転換をお願いします。その植物の最期を看取りませんか? 人間に寿命があるように、育ててきた植物にも命があります。中途半端に育てて、突然命を奪うのではなく、あなたの手で命をまっとうさせてあげましょう。 きれいに手入れしているお気に入りの植物は、親しい知人にプレゼントするのがおすすめです。それ以外の、ただ世話をしているだけの植物は、残念ですが枯らして土だけにしてしまいます。植木鉢を空にして、土は庭にまきましょう。すでに枯れている植物も同様です。 最後までとっておくのは小さな植木鉢をふたつまでにしましょう。植木鉢を処分するときは、両手にひとつしか持てません。それ以上になるとゴミ捨て場との往復が必要で、片づける人の負担が増大します。 花が咲けばきれいですが、葉の下の植木鉢から伸びる根が地面に食い込んでいると、片づけるときに大変です。 あなたの近親者が片づけるとしたら文句のひとつやふたつが出てきます。迷惑をかける前にきちんと整理しておきましょう。 なお、木は根元に近いところから切り、それ以降の片づけは業者に任せるのがおすすめです。庭にあるものの処分のしかたを表にまとめましたので、参考にしてみてください。 上東 丙唆祥 生前整理・遺品整理アドバイザー 一般社団法人日本遺品整理協会理事
上東 丙唆祥
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