次期経団連会長に日生・筒井義信氏、金融機関から初 十倉雅和氏「社会課題解決できる人」
経団連の十倉雅和会長(74)は17日、後任に副会長の筒井義信・日本生命保険会長(70)を起用する方針を明らかにした。十倉氏が東京都内で記者団の取材に応じ、「社会課題に対して長期的な視点で解決策を提言できる人として最適だ」と述べた。来年1月14日の会長・副会長会議で正式に内定し、十倉氏の任期満了となる5月29日の定時総会を経て就任する。 経団連会長は製造業出身者が就任するケースが多く、金融機関から選ばれるのは初めて。 十倉氏は金融機関からの起用に関して「製造業、非製造業ということを意識せずに人物本位で選んだ」と説明。「(筒井氏が会長を務める日生は)機関投資家として、いろいろな産業に目配りされており、地域にも根差している」と語った。 産業の裾野が広い製造業を軸としてきた経団連の政策提言が変わる機会となる可能性がある。関税引き上げを掲げるトランプ次期米大統領が来年1月に就任し、保護主義的な動きが強まる恐れがある中、経済界のまとめ役となる筒井氏の手腕が問われることになる。 経済同友会の新浪剛史代表幹事は17日の記者会見で、筒井氏について「論理立てて話をし、話をよく聞かれる素晴らしい人柄の方だ」と述べた。 筒井氏は日生で総合企画部長などを歴任し、2011年に社長に就任。三井生命保険の買収や、オーストラリアでの生保事業の展開を通じ、規模の拡大につなげた。23年から経団連副会長を務め、脱炭素社会の推進などに取り組んできた。 ◇ 筒井義信氏(つつい・よしのぶ)京大卒。1977年日本生命保険。取締役などを経て2011年社長。18年から会長。23年から経団連副会長。兵庫県出身。