いきなりデータ分析でいいの? GA4のデータ活用を最適化するための基本
たとえば、Web、アプリ、店舗のデータをそれぞれ計測してもユーザー行動を追うことはできない。会員IDなどを計測に使うことで初めて、同一人物だとわかるようになり、メディアを横断したユーザー行動を追えるようになる。
データ活用のためのデータ基盤として、GA4で集めた結果をBigQueryにエクスポートすることで、より詳細なデータ分析ができる。BigQueryとは、Google Cloud Platform(GCP)のプロダクトの1つで、膨大なデータを高速に処理できる解析サービスだ。
UAでBigQueryを活用するには有料版のGoogle アナリティクス 360を契約するしかなかったが、GA4になってからは1日あたり100万イベント(月間3000万イベント)までならば、無料でBigQueryにエクスポートができる。 ただ、注意点もあると藤田氏。 ┌────────── 上限値を超え続けると、BigQueryへのエクスポートが止まり、その間取得できなかったデータは戻って来ない。また、無料版の1日100万イベント内にイベント数を制限した場合も、取得できなかったデータは再取得ができない(藤田氏) └────────── 有料版にすると1日あたり数十億イベントを取得できる。つまり、ほぼ無制限でデータをエクスポートできるようになる。GA4の無料版と有料版が提供する機能に大きな違いはなく、一部の機能を除いて基本的に無料版でもできるという。 有料版にすることのメリットとしては、データの扱える量が増えることで、制限なくデータを保管しておき、必要に応じてデータを抜き出し、細かなデータ分析を行うことができる点だ。その集めたデータからLooker Studioなどのデータ可視化ツールを活用したり、機械学習を行いデータの傾向を分析したりといった詳細なことが行える。 ┌────────── データ基盤を構築して、正しいデータ活用を推進していくには、データ活用の目的を整理することが重要。データを収集して、何をしたいのか、どんな成果を出したいのか、そういった目的を整理・定めることがデータ活用の第一歩と言える(藤田氏) └────────── また、有料版にするメリットとして、データガバナンスも挙げられる。GA4有料版の場合、計測されたデータは自社の所有権の元で利用できる。一方、無料版の場合、計測データはGoogleに帰属することになる。