イングランド戦で代表デビューのフッカー原田衛が体現する超速ラグビー「速く考えて、速く集団的に動いたら…チャンスはあると思います」
6日から約2週間あったジャパンの宮崎合宿では、毎朝4時半に起床。6時からの「ロケットスタート」を皮切りに、ミーティング、実戦形式練習、連携の確認を繰り返した。 今回はワールドカップ経験者の多くが代表活動を辞退していて、首脳陣も刷新されたばかり。約9年ぶりに再登板したエディー・ジョーンズの謳う「超速ラグビー」を、突貫工事で落とし込む。 はまればとめどない波状攻撃をもたらしそうな「超速ラグビー」について、原田は「(止まっている暇がなく)きついっす。でも、これをしないと勝てないな、とは感じます」。体格差と経験値でアドバンテージを取られかねないなか、万事におけるスピード感に活路を見出す。 「向こうより速くセットして(位置について)、速く考えて、速く集団的に動いたら…チャンスはあると思います」 イングランド代表が強みにするスクラムは、最前列の中央でリードする。元ニュージーランド代表プロップのオーウェン・フランクス新アシスタントコーチの指導もと、組む前の掴み合いから勝負をかけるつもりだ。 「相手にとって居心地の悪いようなセットアップ(予備動作)にすれば、勝機はある」 それにしても、代表デビュー時に戦うのがラグビーの母国と呼ばれるような伝統国となるとは。 かように水を向けられると…。 「そういう人生なので。日頃の行いが、奏功しているのかなと」 強く、速く、正直なアスリートにとって、ふさわしいステージが待っている。 取材・文●向風見也(ラグビーライター)