“最もプレーしたくないNBA指揮官”シボドーHCを恩師と慕うタウンズ「彼は自分の人生を選手に捧げている」<DUNKSHOOT>
しかしタウンズは、「ティブスは自分の人生を僕たち選手に捧げ、勝利を掴むためのベストチャンスを作り出すために日々奮戦してくれている」とインタビューで明言。 「それはファンには見えない部分かもしれないけれど、彼は多くの犠牲を払いながら、ニックスが勝利できるチャンスを模索すべく日夜努力してくれているんだ」と敬意を口にしている。 青天の霹靂という形で訪れたトレードながら「彼のやり方、選手に何を求めているかはわかっていた」という元恩師とのケミストリーが上手く作用していることは、タウンズのコート上でのプレーが証明している。 また、タウンズの人柄も、すぐにチームから歓迎されたようだ。ニックスのチームメイトと対面した初日、彼が真っ先にしたことは、チームのエースであるブランソンのところへ行って自己紹介することだったという。この時に彼が「僕はカールといいます」と名乗ると、ブランソンは、知っていて当然の相手からの謙虚な挨拶に、逆にとまどっていたそうだ。 そんなタウンズだが、彼はもともとニューヨークとハドソン川を隔てたお隣のニュージャージー州出身で、子供の頃はニックスファンだった。いわば地元に戻り、親戚、家族とともに過ごす時間が増えたことを、彼は喜んでいる。とりわけ祖母は、すでに9年間在籍していたミネソタ時代よりも多くの試合を生観戦することができているそうだ。 そして何より、ドミニカ共和国から移民としてニューヨークに渡り、2020年にコロナウイルス感染によりこの世を去った母親にとって、マディソンスクエア・ガーデンは“聖地”のような場所だった。そこで自分の名前がコールされるたびに“タウンズ一家の旅の集大成だ”という気持ちになるのだと、タウンズは語っている。 ウルブズOBのジェフ・ティーグなどは、ポッドキャストで「今はまだリストの下の方だが、これからじわじわと、今季のMVP候補の話題にも食い込んでくるのではないか」と気の早い話していたが、新たな環境に飛び込んだことは、タウンズをより一層成長させるターニングポイントになったようだ。 文●小川由紀子
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