UKダンスシーンをけん引するOvermonoが語る「フレッド・アゲイン&リル・ヨッティ、ザ・ストリーツとのコラボ」
トム:実は最初のバージョンは2、3年前に作ったんだ。もともと俺たちはストリーツのファンだったし、「Turn The Page」のDJセットやライブで使えるバージョンをずっと作りたいと思っていたんだ。それで最初のバージョンを作ったあとにしばらく寝かせて、1年後くらいにまた聴き返して、粗かった部分を修正してライブとかで使ってみたら、とても盛り上がったんだよ。だからすぐにでもリリースしたいと思ってマイクに相談したら、とても良い返事をもらってようやくリリースできたんだ。
――ストリーツの音楽との出会いはいつだったんですか。
トム:「Original Pirate Material」がリリースされたとき(02年)、イギリスでは大反響で、自分たちもそのときに聴いたんだ。エドが15歳くらいで学生だったと思うんだけど、当時聴いていた音楽って今でも自分たちに影響を与えているし、自分たちを形成する一部だと思っているよ。
エド:「Original Pirate Material」の歌詞やトラックって当時のイギリスの社会状況やクラブ・カルチャーを鮮明に表現していて、そのころの自分たちを思い出させてくれるんだ。当時彼の音楽を聴いていたイギリスの人の多くはきっとそう思っているんじゃないかな。イギリスの若者の平凡でつまらない日常生活をすごく詩的かつ写実的に美しく表現していて、素晴らしい才能だと驚いたよ。
――最新シングル「Gem Lingo (ovr now) 」ではラスヴェン(Ruthven)をフィーチャーしていますよね。
トム:俺たちはサンプリングのリサーチにすごく時間を費やすんだ。作曲と同じくらいね。ラスヴェンのことは少しだけ知ってはいたんだけど、彼の「Hypothalamus」(18年)を聴いてすごくかっこいいと思ったんだ。それでボーカルをサンプリングしてひたすらに切り刻み、エディットしまくって曲を仕上げたんだよ。