「ありがとうブス、バイバイ」 容姿いじりが敬遠される時代、武器を捨てた尼神インター・誠子
生まれ変わった彼女はどこまでも前向きだ。若手時代の誠子は、自分が体を張って笑いを取る姿を好きな人には見られたくなかった。恋愛感情は笑いの邪魔になると思い込んでいたのだ。でも、今は違う。 「むしろ見てほしいですね。自分が一番キラキラ輝いてかわいく見えるのって、漫才とかお笑いをやっているときじゃないかと思うんです。今は好きな人にも見てほしいし、そこを受け止めてくれる人を探したいです。やっぱり芸人は一生やめられないですから」 先輩芸人からブスいじりをされる一方で、一部のファンからは「かわいい」とも言われるようになった。 「ブスはおいしいし、かわいいは嬉しい。どっちでも嬉しいと思えるようになったんです。普通に生きていたら悲しいと思うような言葉も嬉しい言葉に変わったので、なんていい人生なんや、ラッキーやな、って」
自分に自信がなかった頃、「ブス」は呪いの言葉だった。しかし、芸人になってからはそんなBが武器になり、自分の頼もしい味方になった。「ブスいじりは良くない」という風潮になり、慣れ親しんだBと別れることには一抹の寂しさもある。 「芸人としてずっとBと共にがんばってきたので、もう一緒に戦えないかもしれないという寂しさはありますね。でも、私はもうあなたなしでも戦えるよ、っていう自信もあるから。B、今までありがとう、バイバイ、っていう感じかな」