【レパードS回顧】“最大の敵”1枠1番を克服したミッキーファイト 名手・戸崎圭太騎手の手腕も光る
スピードとタフさ兼備のサトノフェニックス
2着サトノフェニックスはミッキーファイトより積極的に運んでおり、最後の加速ラップにひと役買った。当然、こちらも評価すべきだ。元値は2歳ヤマボウシ賞でラムジェットを下した実力馬。サウジアラビア、ドバイと続いた中東遠征で思うような結果を残せず、11番人気と盲点になっていた。母の母グレイスティアラは全日本2歳優駿、兵庫チャンピオンシップ、エーデルワイス賞を制した猛者。サクセスブロッケン、ルヴァンスレーヴらダートの大物を輩出したシンボリクリスエスの血も入っており、父ヘニーヒューズ譲りのスピードとタフさも持ち合わせる。今後が楽しみだ。 3着ミッキークレストは新潟ダートでは欠かせないコーナーごとの上昇をみせ、上位に食い込んだ。1、2着とは力差を感じるものの、器用なレース運びは魅力だ。2勝クラス出走なら確勝級だろう。2番人気ソニックスターはコーナーが多い新潟が合わなかったか。暑さの影響もあったようだが、ベストは末脚を生かせるコース。ミッキークレストのような器用さはなさそうだ。3番人気ジーサイクロンは速い流れに乗れなかった。慣れてくれば、もう少し前で勝負できるだろう。発展途上の3歳馬。特にダートは経験を積むことで逞しくなる。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳