AXR離脱を決めた2度のIMSA王者デラーニ、WECやル・マンを視野に入れた新たな挑戦を模索中
ピポ・デラーニはSportscar365に対し、来季2024もIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に留まるかどうかは分からないと語り、WEC世界耐久選手権への移籍やル・マン24時間への総合優勝争いなど、新たな挑戦を求めていることを明らかにした。 【写真】IMSAデビュー戦となった2016年のデイトナ24時間レースを制したピポ・デラーニ(テキーラ・パトロンESM) 北米スポーツカーシリーズのトップクラスで2度チャンピオンに輝いたデラーニは、ウェーレン・キャデラック・レーシングのバナーの下、31号車キャデラックVシリーズ.Rを走らせるアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)から2025年の7シーズン目に復帰しないことを6月に発表している。 デラーニは2016年、テキーラ・パトロンESMのもとでIMSAデビューを果たし、その初陣となったデイトナ24時間レースで優勝を飾った。その後2019年にゲイリー・ネルソン率いるAXRに移籍し、2021年と2023年にそれぞれDPiとGTPカテゴリーのタイトルを獲得した。 2025年のプログラムはまだ確定していないが、デラーニは複数の選択肢を検討していると語った。 「IMSAに参戦してもう数年になる。この選手権は大好きだし、ここにいることを本当に楽しんでいる」 「でも、ある時点で次はどうするかと自問することになるし、僕には新しい挑戦が必要だった。僕は新しい挑戦がしたかったんだ」 「AXRに何年も在籍していたから、多くの人は僕がチームを去ると思っていなかっただろう。彼らの頭の中では僕がつねにAXRにコミットしていたから、多くの人は僕と次のシーズンについて話すことすらしなかった」 「チームを去ることを発表したことで、ある意味、僕は自由になったし、有望な新しい挑戦を探すことができるんだ。アスリートとして、ヘルメットを被り、さらなる力を発揮するためのより大きな理由を見つけたいとつねに思っている」 「IMSAの中だけでなく、このグループのみんなと一緒にいることで、自分が達成できる可能性のすべてを達成できたような気がした。自分のベストを尽くしたし、一緒に素晴らしい時間を過ごした」 LMP2でその名を轟かせたWECへの復帰の可能性について尋ねられた30歳のブラジル人ドライバーは、新たな挑戦には「さまざまなかたち」があると答えた。 「それが3度目のIMSAチャンピオンを獲得することであろうと、さまざまな人々と仕事をすることであろうと、(WECで)ワールドチャンピオンを目指して戦うことであろうと、さらに大きな挑戦をすることであろうと、それはル・マンでより良いチャンスを得るための準備であり、いま欠けているものだ」 「僕はいまキャリアの中で新たな挑戦が必要な時期にあり、そのチャレンジのためにこのポジションに身を置くこともいとわない」 「今のところIMSAに残るのか、それとも別の場所、別のチャンピオンシップに行くのかは不明だ」 「現時点では、自分のキャリアにおける目標にとってより意味のある選択肢を見極めて居るところだ。選択しなければならないとき、それは単純な答えではないだろうし、正確な科学でもない。将来がどうなるか見てみよう」 デラーニは、来年に向けて複数のドライバーとチームが入れ替わるIMSAの“シリーシーズン(不確定なうわさが飛び交う「愚かな季節」)”において、重要なパズルのピースのひとつである。Sportscar365はGTPクラスの複数のシートはまだ確定していないこと、さらに現在同クラスのグリッドに着いているほぼすべてのエントリーが2025年に何らかの変更があることを理解している。 [オートスポーツweb 2024年08月08日]