パドレスが最終交渉も菅野のメジャー移籍は不成立…ダルビッシュとの夢ローテーが幻に終わり巨人残留
ポスティングによるメジャー移籍を目指していた菅野智之(31)の移籍交渉は不成立に終わった。交渉期限の米東部時間7日午後5時(日本時間8日午前7時)までにメジャー球団との契約が合意に至らなかったことをESPNのジェフ・パッサン記者など複数のメディアが報じた。これにより菅野は巨人に残留することになる。 フォックスのレポーターのケン・ローゼンタール記者や、サンディエゴ・ユニオン・トリュビューン紙のパドレス担当のケビン・エイシー記者ら複数の米メディアが交渉締め切りの2時間前に伝えたツイートによると、複数の球団が交渉を続けたが、最後まで合意に向けて粘った球団のひとつが今オフに大補強に乗り出しているパドレス。菅野サイドは、2年前に西武からポスティングによりマリナーズに移籍した際に菊池雄星が結んだ4年5600万ドル(約58億円)以上を希望のラインに設定していたとされるが、攻防の末、その希望額には届かなかったと見られる。もし契約が成立していれば、2対5の大型トレードで、パドレスに移籍したばかりのダルビッシュ有(34)との“日本人夢ローテー”が実現するところだった。 昨季のメジャーは新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて開幕が遅れ、レギュラーシーズンは、わずかに60試合にとどまり、しかも無観客開催となり、各球団の経営を悪化させた。さらに2021年の見通しも立たないため、FA市場の動きも低調でサイヤング賞投手のトレバー・バウアーの行先も決まっていない。菅野も、その影響をもろに受けて、納得のいくオファーが届かなったものと考えられる。 日本ハムの西川遥輝(28)も今オフにポスティングによるメジャー移籍を目指していたが契約合意に至らなかった。 一方で、巨人は1年ごとに菅野が希望すれば契約を破棄してメジャー挑戦が可能になる日本では異例の「オプトアウト」契約のついた4年契約をオファー。菅野にすれば、来年以降、メジャーの運営が正常化するのを待って、そこで仕切り直して再挑戦することも可能になるため、今回は無理をしなかったのだろう。 菅野にとっては残念な結果になったが、巨人にしてみれば今オフ最大の補強に成功したことになる。