「オルビス」が激戦区のドラコスに参入 低価格帯スキンケアに新風を吹き込む
―――商品力の高さに自信があるわけですね。
小林:そうですね。まず、自信を持っている点として、“ショットプラス”には、グループ会社のポーラ化成工業が誇るスキンケア技術が搭載されています。1番の特長は、浸透技術が優れていること。ここは長年ナノ化技術を研究してきた化粧品会社だからこそ、成し得たクオリティーだと自負しています。
1000円前後という価格帯でこの浸透感や保湿感を体験して頂いて、お客さまに「オルビスっていいよね」と思って頂けたらうれ嬉しいですね。その方のライフステージが変わって、例えばエイジングが気になりはじめた時に、直販のオルビスを選ぶきっかけになればありがたい。長い目で見て、潜在顧客を増やしていくことは本当に重要だと考えています。
新たな挑戦に対して社内では反対意見も
―――“ショットプラス”に搭載した技術は、ポーラ化成工業の財産だと思います。ドラッグストアコスメに用いることに反対意見はなかった?
小林:経営陣の中でも、正直意見は割れました。ただ、自分たちが培ってきた技術を「安売り」するのではなく「この価格帯でどんな価値を提供するのか」という話しなので、そこは議論を重ねました。
―――価値の中にはデザインや世界観も含まれると思いますが、そのあたりの戦略は?
小林:あえてドラッグストアコスメの世界観に準じることはしませんでした。ボトルはシンプルだけど上質感が漂うスタイルに。広告ビジュアルも、百貨店で販売するスキンケアと同じ世界観にしています。
―――お話しを聞いていると「クオリティーの追求」が伺えますが、収支的には見合うのでしょうか。
小林:ドラッグストアコスメのすごいところは、一定の「規模感」があると利益が見込める点です。店舗でいうなら、数千店とか1万店とかに配荷されるスケール感があると、ロット数が増えて原価が下がる分、利益が期待できる。ここは、今後頑張っていかないといけない部分です。