これまで扶養内で「月8万円」稼いでいました。50歳から「月12万円」稼ぐと、年金はいくら増えますか? 手取りを考えると“損”にならないか心配です…
これまで配偶者の扶養内で働いていたものの、さまざまな理由によって年収を増やすことを検討している人もいるでしょう。 収入が増えれば貯蓄や生活に充てられるお金を増やせることはもちろん、老後に受け取る年金受給額の増加も期待できます。とはいえ、収入が増えてもその分保険料の支払いなどが増え、損なのかもと迷う人もいるかもしれません。 本記事では、扶養内で毎月8万円稼いでいたときと比べ、50歳から60歳まで月12万円稼いだ場合にどれくらい将来の年金受給額が増えるのか、一方でどれくらい支払いが増え、結果的に損なのか、手取りはいくらくらいになるのか解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
扶養内で働いた場合にもらえる年金の金額
会社員の配偶者が扶養内で働く場合は、自分で年金保険料の負担はしていなくても、その期間は保険料納付済期間として将来の老齢基礎年金額に反映されます。 老齢基礎年金の金額は受給資格期間をどれだけ満たしているかで決まりますが、2024年度の満額は年間で81万6000円です。
50歳から月12万円稼いだ場合に増える年金の金額
パートなどでの収入がある場合、次の条件をすべて満たした場合には自分で厚生年金保険料を支払い、その分老後には老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が受け取れます。 【自分で厚生年金保険料を支払う必要がある条件】 (1)労働時間が週20時間以上 (2)賃金が月8万8000円以上 (3)雇用期間が2ヶ月を越えて見込まれる (4)学生ではない (5)勤務する企業の従業員数が101人以上(2024年10月以降は51人以上) ここからはこの条件を満たしたうえで、50歳から60歳までの10年間、月12万円稼いだ場合をシミュレーションしていきます。 自分で厚生年金保険料を負担し、将来増額される老齢厚生年金の年額は次の式で計算が可能です。 ・平均標準報酬月額×5.481/1000×加入月数 計算式に当てはめると、月収12万円で10年間働いた場合は年間7万7611円です。意外と少ないと思う人もいるかもしれませんが、年金は生きている限り受け取れます。 厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81歳、女性は87歳です。65歳から毎年7万7611円を平均寿命まで受け取ったとすると、合計で男性は124万1776円、女性は170万7442円です。 こうしてみると、決して少ない金額ではないのではないでしょうか。