なぜ火曜と日曜の夜はドラマが「こんなに多い」のか…!秀作もあるのにもったいない「重なりすぎ」問題
日曜遅めのドラマはなかなかの秀作
いま火曜夜と日曜夜のドラマが混み合って困る。 火曜は9時台はテレ朝で『民王R』、フジで『オクラ~迷宮入り事件捜査~』。10時台にNHKの『宙わたる教室』、TBS『あのクズを殴ってやりたいんだ』と2本ずつあって、同時には見られない。11時からもフジテレビの『スノードロップの初恋』がある。 【写真】えなこの「美ショット」が満載…! 日曜も多い。 午後8時から大河ドラマ『光る君へ』、午後9時からTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』、この2つは昭和から続く老舗のドラマ枠である。 そのあと、10時台にテレビ朝日と日本テレビでのドラマがある。 10時15分からテレ朝『マイダイアリー』、10時30分から日テレ『若草物語~恋する姉妹と恋せぬ私~』である。8時台から11時半までに4ドラマ。10時台は裏表で重なっている。ちなみに再放送ながら11時すぎにNHKで『坂の上の雲』を放送している。 重なりすぎである。 そして、日曜遅めのドラマはなかなかの秀作なのだ。 でもたぶん、あまり見られていない。 清原果耶のドラマ『マイダイアリー』はきちんと作られた切ない青春ドラマだとおもう。 男女五人物語である。
大河や朝ドラとのギャップがおもしろい
大学同期の五人、演じているのは女性陣が清原果耶に吉川愛、見上愛、それに男性の佐野勇斗と望月歩。 見上愛は、2時間前の『光る君へ』で、藤原道長の娘の彰子(一条天皇の后)役を演じていて、いわば王朝でもっとも尊ばれている重鎮役である。それが2時間経つと女子大生でライオンの着ぐるみを着て遊園地で働いていたりしているので、ちょっとおもしろい。 まあ佐野勇斗も朝ドラでは豪速球投手を演じていて、こっちは頭の良い物静かな大学生役でなかなかギャップがあって同じ人には見えない。 このドラマの登場人物は、それぞれ何かしらを抱えている大学生で、それをうまく打ち明けられていない。不安を抱えたまま社会に旅立とうとしている。 みんな、何かを失った人たちでもある。 佐野勇斗が演じている理学部数学科の学生は、子供のころに「選ばれた子」だと認定された数学の天才であった。 アメリカの大学へ進学して、そのまま世界的に活躍する数学者になるかと期待されたものの、そこまでの成果を残せずに、帰国してきた。詳しくは説明されないが、つまり少年のころのような天才ではなくなった、ということ、のようである。 挫折したもと天才少年ということで、彼の存在じたいがとても切ない。