トマトが記録的高値 平年比2倍 特売需要に追い付かず
トマトの相場が平年比2倍となる記録的高値を付けている。主力の熊本産の入荷量が高温による着果不良で先週から減少。その中で小売りの特売を中心に需要が活発化して、不足感が強まった。来週は需要が一服するが、各産地大きな増量は見込めず、「高値基調が続く」(東京の青果卸)見通し。 トマトの22日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年(過去5年平均)比2・4倍の1キロ978円だった。11月中旬の7卸取引量は同3割減。下旬も平年を下回る取引量が続き、価格が上昇している。前日からも95円上げ、2日連続で今年の最高値を更新した。 JA熊本経済連は出荷量が少ない要因を「10月の気温高による花落ちが多発した着果不良段の収穫期になっているため」とみる。11月いっぱいは出荷量が低水準で推移し、12月以降、徐々に回復する見込み。 少ない入荷量に対して強い引き合いがあり、品薄高に拍車をかけている。東京の青果卸は、鍋物商材などの高値が続く中、「10月下旬から11月上旬にかけて出回りに潤沢感が出た。前年までこの時期に安定した入荷実績があったことで、今年は特売需要が旺盛になった」と分析する。
日本農業新聞