GENKING. が救急車で緊急搬送「線維筋痛症」の疑いか、症状・原因を医師が解説
タレントのGENKING.さんが自身のSNSにて、救急車で病院に搬送されたことを明かしました。皮膚がヒリヒリと痛むものの、見た目には異常はないそうで、一時は原因がわからずに病気・症状についてSNSで情報提供を呼び掛けていました。 GENKING. さん Instagramの投稿 SNSの続報によれば「おそらく線維筋痛症との診断」と綴っています。果たして、線維筋痛症とはどのような病気なのでしょうか? そこで線維筋痛症の症状や原因など病気の特徴について、工藤孝文先生に解説してもらいました。診断方法・早期発見のポイント・治療法・予防する方法なども一緒にみていきましょう。 ※本記事はMedical DOCにて【「線維筋痛症」とは?症状についても解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
線維筋痛症はどんな病気?
編集部: 線維筋痛症の症状を教えてください。 工藤先生: 主な症状は疼痛を全身のいずれかや広範囲にわたって感じることです。疼痛というと難しくわかりづらいですが、下記項目に当てはまると線維筋痛症の可能性があります。 ・全身のいずれかに違和感を覚える ・押さえると痛い部分がある ・手や足を動かすと痛みや違和感がある ・痛みが強く手足や体を動かせない 上記のような違和感や痛みがあることを疼痛といい、全身のいずれかに疼痛が長期的にみられた場合は線維筋痛症を疑いましょう。 とくに関節・筋肉・腱・靭帯などに痛みがあらわれます。長期的な疼痛が主な症状ですが、痛みは日によって異なり天気・気圧・体調・環境によっても変化しやすいです。 痛みまではいかなくても手や足がこわばる・違和感があり手足を動かしづらいといった症状も線維筋痛症の可能性があります。 また、その他にも伴う症状が複数あり、疼痛にあわせて下記のような症状がみられた場合は線維筋痛症かもしれません。 ・集中力の低下 ・倦怠感がある ・口や目の乾燥 ・発熱 ・頭痛 ・めまい ・動悸 ・呼吸しづらい ・指先の腫れ ・手足の痺れ ・痛みによる不眠 上記のような症状の他に、憂鬱な気分が続く抑うつ状態や強い不安感がある場合も線維筋痛症による影響の可能性があります。全身いずれかの疼痛と上記のような症状が3か月以上続いている方は、早めに病院を受診しましょう。 編集部: 線維筋痛症の原因は何でしょうか? 工藤先生: さまざまな症状が全身にわたってみられる線維筋痛症ですが、はっきりとした原因はいまだ不明です。 しびれや痛みを感じる部分を調べても異常がないため、症状がみられる部分的な箇所に原因があるのではなく、脳への神経伝達部分に異常がみられることが原因といわれています。 遺伝の可能性はないとされており、幼少期や長年の環境的な要因が病気の発症につながっている可能性が高いです。神経に異常をきたす原因としてはストレスが影響していると考えられており、長期的・過度なストレスは線維筋痛症の原因にもなり得ます。 しかしはっきりとストレスが原因とは断定できないため、線維筋痛症だと気づかずに生活を送っている人も少なくありません。 編集部: 線維筋痛症は子どもも発症するのでしょうか? 工藤先生: 子どもに全身の痛みや倦怠感などが長期的にみられた場合は若年性線維筋痛症の疑いがあります。成人に限らず子どもでも発症する病気で、幼い頃から長年のストレスを感じている子どもや性格的に繊細な子どもに発症することが多いです。 ・お腹が痛くて学校に行けない ・全身に痛みを感じ朝起きられない ・体の痛みによって夜眠れず日中に眠くなる これらのような症状をお子さんが訴え、不登校になったというケースは珍しくありません。しかし、病院を受診し検査を行っても「異常なし」といわれることが多く、こういった場合は若年性線維筋痛症の可能性があります。 不登校のお子さんの多くは、何らかのストレスが原因で「学校へ行きたくても行けない」のです。ストレスが要因となり線維筋痛症を発症していても、原因が分かっていないためきちんとした病名にたどりつくことは難しく、まわりからは甘えていると思われてしまいます。 お子さんが若年性の線維筋痛症である可能性がある場合、まずは病院を受診し異常なしや原因がわからないと診断された場合はセカンドオピニオンも考えてみましょう。