小泉純一郎元首相がトモダチ基金創設で会見(全文1)被ばく米兵救済のため
400人を超える兵士が放射能被害と思われる病に苦しんでいる
ロナルド・レーガン空母にいる乗組員は5000人ぐらいいるようですね。で、そのほか空母ですから、付随する艦艇も一緒に来てますよ。で、あとで聞いたことによると、あのトモダチ作戦、1カ月か2カ月の間に米軍は日本政府の要請に基づいて、海兵隊のみならず海軍、陸軍、空軍、約2万人を超える兵士があのトモダチ作戦に参加して、救援活動に励んでくれたようです。 しかし放射能があれほど漏れて、防護服着ないまま活動していた兵士が放射能被害によると思う病に苦しんでるっていうのをじかに聞いて、これは放っておけないなって私は思ったんです。で、兵士たちは淡々と話してましたね、私は任務としてこういう活動をしていると、ヘリコプター乗った、あるいはヘリコプターを整備していたとか、そういう任務について淡々と話していましたよ。しかしこの病気になっちゃって、まあ、仕方がないなというわけですね。 いや、これもね、私は行くときね、300人って聞いたのもびっくりしたんです。300人も出てるなと、病気に苦しんでる人がね。で、お見舞いに行くんだから行く前に吉原さんと相談してね、お見舞い金、なにがしか持ってかなきゃ悪いなと、お菓子って皆、持っていったってしょうがないだろうと思って、200~300万円持っていきゃいいかなと思ったんですよ。10人かそこらじゃないかなと思ったら、300人超えてるって聞いてね、こりゃ200~300万円だと恥ずかしくて恥かいちゃうなと思って、じゃあ手ぶらで聞こうと。何も持ってかない、聞いただけです。 ところが行ったときは300人、超えたと。帰ったとき、4日間ですけどね、帰るときは400人を超えたっていう話を聞いたんです。それで話を聞いて、じかにね、また聞きじゃなくて、じかにその病気で苦しんでる兵士を聞いて、ああ、お気の毒ですね、とか、かわいそうですねって言って、それでおしまいにするわけにはいかないなと思ったんです。 で、今、兵士たちは裁判を起こしてますよね。だから兵士はいかなる被害に遭ってもアメリカの政府を訴えることはできないという、そういうアメリカの側ではそういう制度のようですから、東電とGEとか会社を訴えているようです。それは日本で裁判するのか、アメリカで裁判するのかっていうのを今、争っている最中のようです。 で、私は5月にじかに、サンディエゴに行く前に、外務省の北米局長を訪ねてこういう自体だけど知ってるかと聞きました。聞いてみると、事情は正確に把握していたようです。 通訳:把握して? 把握してなかった? 小泉:いや、私が行く前に北米局長を訪ねて、こういう話なんだけども外務省は知っているか、という話をしたんです。北米局長に。そしたら知っていると。じゃあじかに、私は兵士たちと、これから行くから、サンディエゴに行って、じかに兵士に聞いてまた話するって言って、行った。そして帰ってきてからまた報告に行きましたよ。 しかるに同情はしてくれましたけどね、北米局長は。ああ、せっかくトモダチ作戦に、救援してきた方々がこういう苦しい事情っていうのは本当に残念だ、かわいそうだという話はしてましたけども、政府としてはこれは何もできないんだという話でした。そこで、政府の考え方も分かりますし、それからアメリカの上下両院も国防総省に、どうなってるのかっていう、聞いてるんですよね、アメリカで。で、アメリカ国防総省の、その問いに対する返答が、だいたい東電とかGEと、言ってることと同じことでした。健康被害、これは放射能による健康被害とは断定できないという結論のようです。