事前に話し合っておきたい…親亡き後、実家はどう片づければいい?避けては通れない「遺品整理」をスムーズに進める方法
遺品整理は業者に頼むのがスムーズ
「処分する物」と「取っておく物」を選別するのも難しいのですが、さらに難しいのは、「正しい方法で処分する」ということです。燃えるごみ、プラスチックごみ、燃やせないごみ、資源ごみ、リサイクル家電、リサイクルショップにもっていく物などに、分別しなければいけません。 それも、自分が住んでいる自治体と違う場所であれば、分別ルールを調べる必要があります。例えば3DKの家にある物をすべて正しく分別しようと思ったら、プロに頼めば数時間で済むことが、素人だと何カ月もかかる可能性があります。 「時は金なり」という言葉がありますが、片づけにかかった期間の労力や経費、無駄にした家賃などを考えれば、業者に頼んだほうが安かった、というケースもよくあるものです。 自分たちだけでやろうと無理をせず、プロに頼ることも検討してみましょう。
業者がやってくれること
業者にもよりますが、一般的な遺品整理では、下のようなサービスを依頼することができます。 遺品整理業者に頼めるサービス内容 • 遺品の片づけ、整理 • 家財道具の買い取り • 家財の移動、配送 • 家財、残置物の処分 • 消臭・簡易清掃 ちゃんとした業者であれば、不用な家財を法律や自治体のルールに従って分別し、処分(廃棄やリサイクル)してくれます。 頼めば、仏壇など粗末にできない遺品の供養をしてくれるところもあります。整理しているときに出てきた、価値がありそうな家財をプロが査定して、その場で買い取り(査定額を料金から値引き)をしてくれるところもあり、自分たちでリサイクルショップに持ち込む手間が省けます。 実際に作業をしてもらうときには、2DKなら5人程度のスタッフで、3時間前後かかるのが目安です。どこかにあるはずの貴重品や現金を探しながらやるときには、もっと時間がかかることもあります。 家財を運び出した後の簡単な清掃は含まれていることが多いですが、さらにオプションで水回りなどのハウスクリーニングを頼めるところもあります。 そのほか、貴重品の捜索(現金や書類、遺言書など)、汚れや臭いがひどい場合の「特殊清掃」、害虫駆除、パソコンの中の写真などデジタル遺産の整理、不動産手続きや廃車手続きの代行、解体工事などを行ってくれる業者もあります。 監修 横尾 将臣(メモリーズ株式会社 代表取締役) イラスト あさと ひわ
弘中 純一,小谷 みどり,横尾 将臣