スティーブ・カーが民主党大会に登場、共和党候補のトランプに向けスティン・カリーの「おやすみなさい」ポーズを送る
「3億5000万人が同じチームでプレーすることで、何ができるのか想像してみてください」
ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチが、11月15日に行われるアメリカ大統領選挙に向けた民主党大会に出席。同党の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領への支持を呼びかけると共に、ライバルとなる共和党候補者のドナルド・トランプ前大統領に向け、ステフィン・カリーの代名詞である「Night Night(おやすみ)」ポーズを行った。 今回の党大会の会場はシカゴのユナイテッドセンターと、カーが現役時代に活躍した古巣ブルズのホームアリーナだ。カーはブルズに1993-94シーズンから5年間在籍。そして、1995-96シーズンからNBA3連覇を経験している。ブルズがスターティング5紹介で使う楽曲The Alan Persons ProjectのSiriusで登場したカーは、『USA!!』の大合唱と共に迎えられた。 「ユナイテッドセンターに戻ってこられたのは本当にうれしいです。みなさんが知っているように、このアリーナでたくさんの素晴らしい経験が出来ました。特に90年代の話で、(何があったのか)若い皆さんはグーグルでマイケル・ジョーダンと調べてください」 このようにカーは語ると、次のようにアメリカに必要なリーダー像についての見解を述べた。「私はリーダーとは、威厳を示さなければいけない。リーダーとは真実を語る必要があり、自分自身を笑うことができる。そして、率いる人々を思いやり、愛さなければいけないと信じています。さらにリーダーは博識である必要がありますが、私たちの誰もがすべての答えを持っている訳ではないことを認識しなければいけないと思います」 「実際のところ、最善の答えとはチームのメンバーから導き出されることが多いです。もし、友人や上司、子供の先生にそういった資質を求めるのなら、大統領にも同じことを求めるべきではないでしょうか」と、国家のリーダーは独善的であってはならないと主張する。そして、「カマラ・ハリスと(副大統領候補の)ティム・ウォールズは、これらの資質を備えています」と続けた。 またカーは、パリ五輪のアメリカ代表を引き合いに出し、団結することの大切さを強調する。「パリ五輪で12名のアメリカ人選手が、国を代表するためライバル関係を脇に置いて私たちのチームとして成し遂げたことを振り返ってみましょう。そして、アメリカ国民3億5000万人が、民主党員、共和党員、リバタリアンであるかは関係なく同じチームでプレーすることで、何ができるのか想像してみてください」 最後にカーは、「私は毎日、人々が11月5日に投票し、カマラ・ハリス、ティム・ウォールズが次の大統領、副大統領に選ばれるための手助けをしていきます。そして投票の結果が出た夜、私たちはドナルド・トランプに偉大なステフィン・カリーの代名詞である『Night Night』を送ることができます」とスピーチを締め括り会場が大いに盛り上がった。 今回の演説の冒頭で、カーは「最近、政治について言及することでリスクが伴うのは十分に理解しています。黙っていろとSNSで言われることは目に見えています」と、自身が立ち位置を明確にすることのマイナス面はわかっている。それでも、こうして民主党支持であり、反トランプの姿勢を鮮明に打ち出したところにカーの信念を感じ取れる。人々の心に強く訴えるものがある名スピーチだった。
バスケット・カウント編集部