【解説】吉村洋文氏『維新』代表と大阪府知事の“二刀流”に挑戦 2024年衆院選では“議席減” 万博・参院選控え…求められる『党の立て直し』そして3度目の“大阪都構想”挑戦は?
2024年10月の衆院選で議席を減らす結果となった『日本維新の会』…2024年12月に代表選を行い、大阪府知事の吉村洋文氏が新代表に選出された。2025年は万博や参院選など多忙が予想されるなか、大阪府知事と党代表の「二刀流」は、功を奏するのか?
■他党からは「維新はバケモノ」との声も…党内では強い危機感 「国政政党として消滅しかねない」吉村氏が二刀流を決意
年の瀬が近づく12月14日に開かれた公明党大阪府本部の大会。先の衆院選の結果について、出席した党関係者は「認めたくないけど、維新はバケモノで、ここ大阪では最強。今のうちに手を打たないといけない」と厳しい表情で選挙戦を振り返った。 先の衆院選、「日本維新の会」は、これまで「公明党」が長年議席を獲得してきた大阪の4小選挙区に初めて候補者を擁立、大阪では19の小選挙区全てで勝利を収めた。この結果を受け、「自民党」は、自身も落選した谷川とむ前衆院議員が府連会長を辞任。大阪では維新が他党を寄せ付けない強さを見せた。 しかし、全国的に見ると、維新は比例票を約300万票も減らし、公示前の44議席から議席を6つ失うことに。当時、共同代表だった吉村氏は、「野党の中では"ひとり負け"」「国政政党として消滅しかねないという危機感がある」などと話し、代表選への出馬を決意。12月1日に行われた代表選では有効投票数の約8割の票を固めて新代表に選出された。 その前に行われた地域政党「大阪維新の会」の代表選でも吉村氏が再選を果たし、公約として、かつての看板政策で過去に2度、住民投票で否決された「大阪都構想」について言及。「3度目への挑戦を宣言するものではない」とした上で、党内部の案として、「大阪都構想の制度案をもう一度考えたい」と表明した。
吉村氏に近い国会議員や大阪府議会議員からは「ついにこの時が来た」「(吉村氏が)日本維新の会の代表選への出馬を決めたときに顔つきが変わった。“都構想”を掲げて、党内をまとめていかないといけないと思ったのかなと感じた」などと歓迎する声が相次いだ。 一方、公明党の関係者は、「まだやるんですかという感じ。『僕自身がもう挑戦することはない』と言っていたのに、『なんかやらないかん』という理由だけで掲げているのだろう。『3回目の宣言をしたわけではない』というのも、意味が分からないし、ずるい」と突き放すように語った。