【解説】吉村洋文氏『維新』代表と大阪府知事の“二刀流”に挑戦 2024年衆院選では“議席減” 万博・参院選控え…求められる『党の立て直し』そして3度目の“大阪都構想”挑戦は?
■党幹部には若手を積極起用「永田町文化を変える」と意気込むが…党内からは「他党から相手にされなくなる」との冷ややかな声で足並みは揃わず
吉村新体制の共同代表には民主党政権時に、国土交通相や外務相などを歴任し、衆院選直前に維新に合流した前原誠司氏が就任。一方、党三役には、幹事長に岩谷良平氏、政調会長に青柳仁士氏、総務会長に阿部司氏といずれも40代で当選2回の若手を起用した。 若手の起用について、吉村代表は「野党でぶつかっていく立場なので新しい価値観を永田町にぶつけてほしい」と話す。 吉村代表は代表選でも、永田町の“国対政治”や“飲み食い政治”を痛烈に批判。「民間では考えられないような永田町の価値観、古い慣習をぶっ壊していきたい。永田町の飲み食い政治も無しです。あんなことやっても新しいものは生まれない」として、党の「パーパス(目的)」の1つに「永田町文化を変える」ことを掲げた。 しかし、党内の足並みは揃っていない。馬場前代表に近い国会議員からは「(吉村氏は)国会を分かっていない。大阪府議会や大阪市議会と違って、野党第二党の維新が、国会で存在感を出していくのがどれほど大変なことか。『永田町を変える』と意気込んでいるが、他党から相手にされなくなるだけだ」と、冷ややかな声も聞こえている。 2025年は4月から半年間、『大阪・関西万博』が開催され、夏には参院選も控えている。大阪府知事としての職務も行いながら、代表として党内をまとめ、これまで長年の課題だった「脱大阪」を果たすことができるのか。吉村氏の手腕に注目が集まっている。