ジョージア新大統領に親露派のカベラシビリ氏が選出 新欧米派との対立で政治混乱長期化も
南カフカス地方の旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)で14日、大統領選(任期5年)が行われ、強権・親ロシア色を強めるコバヒゼ政権の与党「ジョージアの夢」が擁立したサッカー選手出身の前国会議員、カベラシビリ氏が当選した。 同国では与党が欧州連合(EU)加盟交渉の凍結を発表した11月末以降、親欧米派の野党や国民の抗議デモが続いてきた。今回の大統領選で野党側は抗議の一環として候補者を擁立せず、カベラシビリ氏が唯一の候補者となっていた。与党はカベラシビリ氏を新大統領に据えて政権基盤を盤石にする構えだ。 親欧米派のズラビシビリ現大統領が退任することで、与党の強権化がさらに進む恐れもある。ズラビシビリ氏は任期満了後も大統領を続けると表明しており、政治混乱は続く可能性がある。 与党は今年、外国から資金提供を受けて活動する団体を規制する反スパイ法と、性的少数者(LGBTなど)の権利を制限する法律を施行。野党やEUが批判していた。 ジョージアの大統領は従来、国民の直接選挙で選出されてきたが、今回から国会議員らで構成する選挙人300人の投票で選出されることとなった。(小野田雄一)