僕が見たかった青空・岩本理瑚『SASUKE2024』で奮闘「歴史に自分も関わることができたんだ」
岩本はしばらく泣き続けた
岩本はしばらく泣き続けた。なぜ自分を責めたのか。それは、グループを背負っていたからだった。 岩本「私は“僕が見たかった青空”に加入してから、自分がやるべきことって何だろうと考えてきました。でも、その答えは見つかっていないままでした。この予選会に出場できることになって、私は僕青を知っていただくために出場しようと思いました。今までグループに貢献できていなかった分、ここで私がグループの力になりたかったんです。私が1位になれば、 “僕が見たかった青空”っていうグループ名も知ってくれる人が増えるから。それができなかった悔しさがあったんです」 岩本は自分ではなく、グループを知ってもらうことを優先していた。アイドルなのだから、個人として知ってもらいたい欲があってもいい。なのに、岩本にはそれがない。For the teamに貫かれている。 そのためにこの日に懸けてきた。朝は可能な限り3㎞走ってきた。移動の際は歩きながら握力をつけようとハンドグリップを握っていた。そんなJK、聞いたことがない。 25日、岩本はSASUKE本選(『SASUKE2024』TBS系列にて2024年12月25日放送)に出場する運びとなった。収録はすでに終えている。 岩本「参加した日、誓ったんです。次も絶対出るって(笑)。憧れのSASUKEステージを目の前にしただけでワクワクしたし、挑戦して超楽しかったです」
SASUKE本選で岩本はどんな結果だったのか
10月に行われた「SASUKEアイドル予選会」。アイドルグループ12組が1名ずつスポーツ自慢を送り込み、優勝者が年末に放送される『SASUKE』に出場できることになっていた。高校2年生の岩本理瑚は、僕が見たかった青空を代表して予選会に臨んだ。 最終種目の前まで、岩本は2位につけていた。最終種目をトップ通過しなくとも総合1位を獲得できたはずだった。ところが、岩本は平均台で足を踏み外し、転落。憧れの舞台へのチケットはその手からこぼれ落ちた……と思えた。 しかし、番組スタッフは全種目全力で挑んでいた姿勢、最終種目で最後まで1位を狙いに行っている岩本の姿勢を見ていたのだろう。この日、観客の心を動かしたであろう岩本に敢闘賞を与え、本選に出場できることに。岩本はメンバーの期待を背負い、緑山の地に降り立った。 ──緑山に到着して、何を感じましたか? 岩本 緑がいっぱいでした(笑)。あとは、やっぱりセットが大きかったです!その大きさと会場の空気に圧倒されました。選手の皆さんは真剣なまなざしでウォーミングアップをされていて、お客さんの熱も始まる前から伝わってきました。 ──今回、新エリアがあったんですよね。 岩本 そうです。その場で初めて知りました。スクリュードライバーっていうんですけど、回転するバーに飛び移るんです。そのバーにしがみついてから、違う島にさらに飛び移る……というエリアでした。私は7番だったのですが、私の出番までにまだそのエリアをクリアした方がいなくて、どうしたらいいのか不安のまま本番が始まりました。 ──いよいよ競技開始です。最初のエリアはクワッドステップス。斜めに立てられた板を4つ跳んでいきます。 岩本 左右にぴょんぴょんって跳んで、クリアできました。実況が聞こえるんですけど、「軽い!」と言われました。思ったより軽やかにできたみたいです。 ──次はローリングヒル。丸太状に回転する踏み場を登ってから降ります(ここまで地上波ではカットされている)。 岩本 これも事前練習のおかげで、落ち着いてクリアできました。そして、新エリアです。まず自分でボタンを押すとバーが回転し始めるんです。その回転に合わせてジャンプしてバーにしがみついて、島に着地するステージだったんです。どうにかクリアすることができました! 観客の皆さんから「うぉー!」という歓声が聞こえました。私が人類初のクリアでした(笑)。 ──次のエリアはフィッシュボーンです。ぐるぐると回転している魚の骨状のポールを潜り抜けないといけません。 岩本 このエリアのポイントのひとつはバランスです。島に飛び移りながら、ポールをよけないといけないので。自分としては予選会の平均台と重なっていました。 事前に松田パークで練習させていただいたときは1回も落ちなかったんですけど、本番ではポールの本数が増えていたんです!(放送によると、33本から37本に増加) ここでも緊張しました。「練習と違う……」って焦りましたね。私、すぐ焦っちゃう癖があるんです。練習では「ここを通ればイケる」という対策を教えてもらっていたのに、その対策はまったく通用しませんでした。しかも、前のエリアと同じで本数が増えたフィッシュボーンをクリアした人がいなかったので自分を信じて進むしかありませんでした。