発達障害の人の就職には、「ジョブマッチング」が重要! 「就労支援」で適性と課題を浮き彫りに
発達障害の人への就労支援が年々、広がりをみせています。 発達障害の人の場合、知識や技術をいかして就職することはできても、人間関係などに悩んで職場になじめず、結果として、退職してしまうことがあります。そのような問題を防ぐために、職場定着までをみすえて支援するケースが増えています。 【続き】発達障害の人の「就職」に欠かせない実習では、何を見るべきか 就労支援にはさまざまな形式がありますが、基本的な内容や流れは共通しています。『発達障害の人の「就労支援」がわかる本』では、就職活動から職場への定着、生活面まで就労支援のしくみと活用の仕方をイラスト図解。就労支援を利用する当事者はもちろん、その当事者を受け入れる企業側にも好評なロングセラー書から、一部を連載形式でご紹介します。 今回は支援の第1段階、「就職」の支援について解説。
本人と支援者で「ジョブマッチング」を考える
『発達障害の人の「就労支援」がわかる本』では、就労支援を大きく3つに分けて紹介しています。 そのひとつめは「就職」の支援です。 発達障害の人の場合、本人の特徴に合った仕事を選ぶことが重要です。支援機関に相談しながら「適職」を探していきましょう。「就職」の支援は、本人が最初に就労支援の相談をしてから、各種の活動をへて実習や就職活動にのぞみ、就職を成功させるまでのサポートです。 一連の流れのなかで、成功のカギとなるのは「ジョブマッチング」。本人と支援者が、相談や実習などを通じて、本人に合った「適職」を考えていくことです。 発達障害の人にはさまざまな特性があります。得手不得手がはっきりと出やすく、仕事の向き不向きも大きく分かれがちです。 そのため、本人が特性を具体的に理解し、自分に合った仕事を探すことが重要になるのです。
相談や検査を通じて、自己理解を深める
就労支援は、支援者に相談することからはじまります。まずは支援機関に行って、仕事のことや発達障害のことを支援者に伝え、どのような支援が受けられるか、聞きましょう。相談や検査を通じて、本人の自己理解が深まります。自分の得手不得手や、働いていくための課題、これからすべきことなどが、少しずつみえてきます。 (1)相談する 最初は相談から。就労相談を無料で受け付けている支援機関もある。予約制のところが多いので、事前に問い合わせを。 相談時によく聞かれること ・どのような仕事をしたいか ・過去にどのような仕事をしたか ・働くうえで困っていること (2)検査を受ける 検査を受ける支援機関で、GATB(一般職業適性検査)などの検査を受けられる場合がある。検査の結果をふまえて、さらに相談を進めていく (3)本人は自己理解が深まる 自分の能力や職業適性などへの理解が深まる。自分を客観的にみられるようになっていく (4)支援者は本人の人となりを知る 支援者にとっても理解のきっかけとなる。相談にきた人の人となりを知ることができる