秋ドラマで最も株を上げた女優は? 最高の演技で魅せる宝石(3)大きな瞳が怪しさ満点…オカルト作で光る存在感
2024年の秋ドラマも豊作だ。趣向を凝らした物語もさることながら、実力派俳優たちによる演技合戦も熱い。中でも若手女優の活躍は目覚ましく、世間にインパクトを残した。そこで今回は、今季のドラマで最も株を上げた女優を5人ピックアップして、その魅力を解説する。第3回。(文・平良真咲)
福本莉子『全領域異常解決室』(フジテレビ)
不可解な異常事件を解決していく捜査機関「全領域異常解決室」を舞台に繰り広げられるミステリードラマ。謎の神・ヒルコの正体を追うなかで、「神隠し」や「シャドーマン」「キツネツキ」などの言葉が飛び交うなどオカルト色が濃い。 そのなかで、福本莉子は警察からヒルコなのでは? と疑いの目を向けられる謎の女性を怪演。その細い体のどこに入るの? と思うほど大量の甘いものを食べながら、どこからともなく事件現場に姿を現す。印象的な大きな瞳は、まるでわたしたちとは違うものを見ているかのようで怪しさ満点。 福本は、公開中の映画『室井慎次 敗れざる者』でも、『踊る大捜査線』シリーズで強烈なインパクトを残した殺人犯・日向真奈美(演:小泉今日子)の娘・日向杏を演じている。 整った顔立ちの彼女に、怪しい役がこうもハマるのかと驚いた。『全領域異常解決室』では、物語後半からの怒涛の伏線回収で、福本演じる豊玉はヒルコではなく神の一柱であることが明かされる。正体がわかってから覗かせる天真爛漫な笑顔を見てホッとした視聴者も多いのではないだろうか。 この人が演じているから、この役にはなにかあるかも。観る者に期待や疑惑を抱かせる俳優の1人となった福本に、今後ますます注目したい。 (文・平良真咲)
平良真咲