他人事ではない「水原一平騒動」に経営者が学ぶ事 問題点はチーム大谷のガバナンス欠落にある
推定年間売り上げ200億円という点で、実際にある日本の企業と比較をすると、東証プライム上場会社である、システムサポート社の売り上げ規模とほぼ同じ規模です。 チーム大谷は、おそらく非常に高い利益率と成長率であると想定すると、売り上げ、利益率ともに超優良企業として上場できる規模だといえるでしょう。 ■訴状で明らかになったさまざまな実態 そのチーム大谷の経営実態が、アメリカ捜査当局による水原氏に対する訴状で赤裸々になりました。
英語がまだ堪能ではなかった大谷選手のために、通訳として球団から雇われていた水原氏ですが、訴状によると、球団との雇用契約とは別に大谷選手と契約を行い、“実質的なマネージャー”として日常生活を含めて大谷選手のサポートをしていたとのことです。 そんな水原氏が引き起こした今回の騒動は、大谷選手が銀行口座を開設した際に、水原氏が通訳として同行し、IDやパスワードの設定のときも同席していたことで、これらが漏洩したことに端を発します。
それだけではなく、巨額な送金の際に必要となる、「秘密の質問」と「答え」さえ漏洩していた結果、水原氏が大谷選手本人を装い、違法賭博の関係者への送金が行われました。 しかし、大谷選手は、本来は自分しか知りえないオンライン銀行のアクセスに必要なIDやパスワードを第三者に漏洩させてしまった後に、それらを変更することをしませんでした。 通常、オンライン銀行の利用規約ではIDやパスワードの管理に関して、第三者に漏洩した際の不正送金に関する注意喚起や、漏洩した際には迅速に銀行側に連絡をする必要があるといった義務を利用者に課しています。
もし今回の不正送金に関して、大谷選手が銀行に補償を要求した場合、口座開設のIDやパスワードの設定をする場に、通訳といえども第三者である水原氏を同行させたのは大谷選手自身の判断であり、漏洩したIDやパスワードの変更を行わなかったのも大谷選手の責任として、銀行側が拒否する根拠になるかもしれません。 また、何十億円という給与が支払われる自身の給与口座を大谷選手は数年間放置していて、不正に気がつかない状態だったと報じられています。