ドローンに粒状の石灰窒素を投入するJAの担当者ら（4日、静岡県磐田市で）

　日本石灰窒素工業会は4日、スクミリンゴガイ（ジャンボタニシ）の駆除の省力化へ、殺貝効果のある石灰窒素をドローンで散布する試験を静岡県磐田市で行った。粒剤で最大40キロを積載できるクボタのドローン「T30K」を使い、田植え前の田70アールに散布。10アール当たり30キロを、2分弱で問題なくまき終えた。 【画像】ドローンを使っての作業 　同工業会の現地実証は今回が初めてで、JA遠州中央や生産者などが協力した。 　離着陸する場所と散布箇所の距離を踏まえて、積み込む石灰窒素の量を調整して試験した。バッテリーの交換作業や機体の説明などを含め、試験全体は1時間ほどで終えた。ドローンを操作したクボタの担当者は「散布中に、石灰窒素の詰まりや、一気に出てしまう『ボタ落ち』といったトラブルはなかった」と話した。 　同JA豊田耕種部会で、試験に協力する土屋ライスの土屋貴史さん（54）は「動力噴霧機では身体の負担が大きく、時間もかかるため、1日で2ヘクタールが限度。ドローンは負担なく、時間も短い。効果次第では導入を検討したい」と話す。 　同工業会は今後、防除効果を確認し、その結果を踏まえ、ドローンによる散布を普及していく方針だ。