【無罪判決が出た理由は?】ドン・ファン元妻への判決を読みとく「完全に否定できない」「言い切れない」和歌山地裁は検察側の立証不十分と判断
■判決は第三者による殺害可能性も否定
【自分で摂取した可能性】 こちらは「野崎さんと性的関係を持っていた証人が、「覚醒剤やってるで、へへへ」と電話で言われたとする証言。判決では、「一様に冗談と決めつけることはできない」「何かのきっかけで関心を抱き、入手を依頼したことなどからそのような発言をした可能性を否定できるかには、疑問が残る」としました。 判決は、第三者による殺害の可能性も否定しました。
■検察官の主張が受け入れられなかったことは残念
直接証拠がない中、28人もの証人を請求し、スマートフォンアプリの解析の結果など状況証拠を積み重ねて立証を試みた検察側でしたが、地裁の判断は、「完全に否定することはできない」「可能性は否定できない」と立証は不十分と判断しました。そして「野崎さんがはじめて覚醒剤を使用し、その際に誤って致死量を摂取して死亡した可能性もないとは言い切れない」とも述べました。 無罪判決を受けて、和歌山地検は、「長期間の審理に関わった裁判員の方々に敬意を表する。しかし検察官の主張が受け入れられなかったことは残念である。今後については判決文の内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントしました。