東洋大姫路高・岡田監督（右）

◇27日　高校野球秋季近畿地区大会準々決勝　東洋大姫路4―0大阪学院大高（ほっともっとフィールド神戸） 　東洋大姫路（兵庫1位）は大阪学院大高（大阪3位）に完封勝ちし、3年ぶりのセンバツ出場に当確ランプをともした。OBの岡田龍生監督（63）は就任3年目で聖地へ導いた。 　古豪の復活を託された甲子園優勝監督。2019年夏に全国制覇を果たした履正社（大阪）から2022年春、母校へ転籍。センバツ出場後のチームを預かり、母校での最初の夏は4回戦で滝川に惜敗した。22年秋は2回戦で明石商に敗退。昨年夏は5回戦で津名に敗れ、昨秋は2回戦で須磨翔風に惜敗した。今夏は準決勝で明石商に0―1で敗れて4強に終わっていた。 　新室内練習場ができるなど、環境面は充実してきた。岡田監督のもとでプレーしたいと選手も集まるようになってきた。プロ注目の最速147キロ右腕でエースの阪下漣（れん）投手（2年）もその一人。今秋は兵庫大会を制して、近畿地区大会へ。1回戦は龍谷大平安（京都2位）を9―0の7回コールドで勝利。この準々決勝では阪下が”マダックス”と呼ばれる100球未満（90球）の完封で、今大会16イニング連続無失点とした。それでも岡田監督は「ストレートが甘いですね」と途中で高めに浮いた制球にくぎを刺した。 　プロを目指せる素材と見ており「自分でちゃんと状況を考え、自分で考えてやらないと。何球投げろ、ナンボ走れとか、こんなことを言われていたら上へ行かれへんよ」と説いてきた。選手には「野球の偏差値をもうちょっと上げないと」と”脳力”アップも求める。 　この日、スタンドには岡田監督の2学年先輩にあたり、1977年夏の全国制覇を果たした当時のエース左腕、松本正志さん（元阪急投手）らが応援に駆けつけていた。松本さんは「一緒に校歌を歌いました」とセンバツ当確を喜ぶ。 　OBの思いも背負う岡田監督は、来春センバツに向けて「選んでいただいたら、何とか校歌を。僕は卒業生だし、OBはずっと寂しい思いをしてきてますから」と語る。22年春のセンバツは初戦敗退だった。夏は11年に原樹理投手（現ヤクルト）を擁してベスト8となったが、センバツ勝利となると08年の4強が最後だ。「1年生にはオマエらまだ生まれてへんで、と。それ以来、勝ってないわけだからOBのためにも何とか校歌を、と思います」と17年ぶりのセンバツ勝利へ思いを強くした。