現在66歳で求職中です。「高年齢求職者給付金」を受け取れるらしいのですが、年金と併給できますか?
65歳以降で離職し、失業状態となると「高年齢求職者給付金」を受け取れる可能性があります。ただし、受け取るためには条件を満たしている必要があり、離職したら誰でも受給できるわけではありません。 いくら受け取れるかは、雇用保険の被保険者期間や働いていたころの月収などによって変動します。今回は、高年齢求職者給付金の概要や年金との併給が可能かなどについてご紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
高年齢求職者給付金とは?
高年齢求職者給付金は、65歳以上になってから離職などによる失業状態になった場合に受け取れる一時給付金です。雇用保険の被保険者期間に応じて給付金が支給されます。 ハローワーク(公共職業安定所)・長野労働局「雇用保険の高年齢求職者給付金を受けようとする方へ……」によると、失業の状態にある方とは、 ●就職したいという意思があって ●いつでも就職ができる能力・環境があるにも関わらず ●職業に就くことができず ●積極的に求職活動を行っている状態にある ことをいい、ハローワークにおいてその確認をする、と定められています。 そのため、離職後は就職せずに年金と貯金のみで生活したいと考えている方や、病気などが原因で失業後すぐに働けない方は受け取れません。 さらに、高年齢求職者給付金を受け取るためには、被保険者期間が離職した日以前1年間に6ヶ月以上あることも条件です。失業状態でなかったり被保険者期間が足りなかったりすると、高年齢求職者給付金の対象にはならないため注意しましょう。 ■受け取れる金額の計算方法 受け取れる金額は、被保険者期間だった期間に応じて変動します。被保険者期間が1年未満の場合は30日、1年以上の場合は50日分の基本手当相当額を受給できます。基本手当日額は年齢や賃金によって給付率が異なります。 厚生労働省 都道府県労働局・ハローワーク「雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和5年8月1日から~」によると、高年齢求職者給付金を利用する場合は、「29歳以下」と同じ区分で給付率が適用されるようです。 29歳以下の基本手当日額は、退職する日から6ヶ月前までの賃金合計額(賞与などは除く)÷180日によって求められる賃金日額の50~80%の金額です。賃金日額ごとの受取割合は以下の通りです。 ●2746円以上5110円未満:賃金日額の80% ●5110円以上1万2580円以下 :50~80% ●1万2580円超1万3890円以下:50% ●1万3890円超:6945円(上限額) 例えば、66歳で離職した時点までの月収が12万円、手当はなかったとします。まず、賃金日額は「12万円×6ヶ月÷180日」となり4000円です。4000円だと基本手当日額の給付率は80%のため、3200円を受け取れます。もし失業前の被保険者期間が1年未満であれば9万6000円、1年以上であれば16万円が高年齢求職者給付金の支給額になります。 ■手続き方法 高年齢求職者給付金を受け取るためには、以下の書類が必要です。 ●離職票 ●マイナンバーカードもしくは身元が確認できる指定書類 ●縦3センチ×横2.4センチの写真 ●給付金を受け取る本人名義の預金通帳かキャッシュカード 必要な書類を用意したら、失業後できるだけ早くハローワークへ申請しに行きましょう。高年齢求職者給付金は申し込みをしてから最低でも7日以上経過しないと受け取れません。申請が遅れるほど受給日が遅れるため、早く受け取りたい方は素早い対応が必要でしょう。