《血縁関係はなくても同じ墓に入る》「墓友」たちに共通するのは“安心感”「死後の不安や寂しさが薄れた」「いま生きることが楽しくなった」
墓友とはお互いを尊重しつつもゆるやかなつながり
墓友は感情的・相互依存の関係ではなく、お互いを尊重しつつもゆるやかなつながりだと実際に桜葬を選んだ榎本三枝子さん(72才)は言う。 「墓友の共通点は“自分のお墓を自分で選んだ”という点です。利害関係がなく、ベタベタと依存しあう間柄でもないけど、根っこの部分の価値観が共通するから、お互い、心が自由でいられるし、自然体で自分の意見を口にできます。介護や死生観など話しづらい話題についても屈託なく話すことができます」 井上さんはこう話す。 「同じ墓を買ったから墓友になるのではないですし、墓友は茶飲み友達でもありません。みんなが自分の考えを持つ成熟した大人だからこそ、お互いを受け入れて尊重できます。 人間、最後は誰もがひとりだからこそ、不安もあるし心配もあるもの。そんなときに墓友という結縁があればお互いに助け合うことができて、“死後も共にいられる”と心の持ちようが大きく変わるんです」 不安ばかりが増す時代、墓友は安心して生き切り、安らかな死を迎えるための最後のよりどころになるのかもしれない。 (了。) ※女性セブン2024年11月21日号